この記事で学べる事
コツコツドカン対策は損切り設定をするだけで解決できる
トレードの世界では本当にたくさんの勝ち方があり、我々はその中でほんの一部分しかしりません。
一般的には、『無知の知』と表現されますが、知らない事が多い事を知る必要があります。自分の知っている知識の中で解決しようとすると不都合な部分が多くなります。
初心者の多くがコツコツドカンで致命傷を負うのですが、正しく原因分析が出来ないので、解決も出来きません。
コツコツドカンを解消する為には・・・
勝率よりも利幅を取るようにすれば良い
負けトレードから何も学んでおらず、短絡的な発想で解決しようとします。
コツコツドカンになった原因は単純に、損切りポイントを設定していないからです。それ以外の理由はありません。
エントリーと同時にイグジットポイントを設定するのが基本です。誰でも知っている事なのですが、基本を無視した結果に過ぎません。
地道に検証作業を進めて、少しづつ悪い部分、適さない部分を1つづつ修正して、今いるところから一歩づつ前進して行く以外の方法はありません。
正しい心構えと知識を身に付けずに、結果だけ変えようとしても無理があります。
『まずはルールを決める事』
どこでエントリーしてどこでイグジットするのかをあらかじめ決めるのが基本です。その為には、地道な検証作業な必要です。
遠回りをして、基本の重要性を知る事になるのですが、原因を正確に把握出来ないので、失敗を次に生かせません。
基本通りのトレードを心がける事も無く、楽に勝てる方法を模索したり、教材で読んだ手法をアレコレ試すようになります。
結果として、レートの上げ下げに振り回されて、同じ失敗を繰り返します。
実際に、優位性があるのか、再現性があるのかを自分の手を動かして検証する必要があります。
値幅に対しては、
コツコツドカンを推奨している人は圧倒的に少ない。逆に利大損小を推奨している人が圧倒的多い。
勝率に対しては、
低勝率よりも高勝率の方が良いと判断する人が圧倒的に多い。
実際には、期待値に対しての1つの条件に過ぎず、『良し』『悪し』を判断するには判断材料としては不足しています。
検証結果は、予測とは全く違った結果になり、期待値においては『コツコツドカン』も『利大損小』も全く差がありません。
※検証作業をしておきました。ドル円の15分足で10年分の検証です
期待値とは、勝率と値幅の掛け算
『期待値とは・・・何なのか?』と言う話になります。
ウィキペディアから引用すると
『確率変数のすべての値に確率の重みをつけた加重平均である』とあります。
簡単な計算式で表すと、
『期待値=勝ちトレードの勝率×獲得した値幅/負けトレードの勝率×損失した値幅』となります。
このような計算式が成り立つのであれば、
『勝率を考えるのでは無く、利幅を考えるトレードにする』この理論が成立しないと分かります。
利幅を大きく取る事に集中すると、勝率との関係に気付きにくくなり、勝率を重視する時と同じ状態になってしまいます。
『勝率』と『利幅』は期待値に対しての構成要素なので、どちらか一方を上げれば良いわけではありません。そして、『勝率』と『利幅』には、トレードオフの関係が成立しています。
期待値は『総利益/総損失』と理解していると、このような間違いや勘違いが起こります。
『負ける時は小さく、勝つ時は大きく』このような当たり前の理屈の理屈が通用しない事は気づきにくいので注意が必要です。
部分的には正しい・・・条件が付くけれども正しい・・・
間違っている部分が無い場合には、検証される事が圧倒的に少なくなります。
この部分が問題で、多くの人が良いと判断している事は、そちらを選んでおけば間違いないと考えてしまう心理的バイアスが働いています。
結論ありきになり、自分の考えと一致した事に満足してしまいます。
感覚的には、誰もが知っているような情報や、簡単に理解出来る方法で優位性があるとは考えない方が良いと思います。
どちから一方を犠牲にしなければならないので、期待値を上げる効果が無い事を意味します。
期待値を理解しないと損切り貧乏になる
負ける時は小さく、勝つ時は大きく、これが正しく繰り返されるのであれば、利益を積み上げられるのは初心者であっても理解するのは簡単です。
しかし、『損失よりも、利益の方を大きく設定すれば勝てる』程単純ではありません。
なぜ、『損切りが必要なのか』『利確が必要なのか』・・・この概念を踏まえてイグジットポイントを考えないと全く意味を持ちません。
『利大損小』を盲目的に推奨しているのであれば、『期待値の本質』が理解出来ていないので、トレードをしていないか、負けトレーダーだと分かります。
実際にトレードしていないと、損切りが発生しないので、勝率と損切りの関係が理解出来ません。
同様に、基本に沿ったトレードをしていない負けトレーダーは、何故勝てないのかが理解出来ません。
勝てるトレーダーになる為には、勝率と値幅とボラティリティとの関係を総合的に判断してイグジットポイントを決定する必要があります。
ボラティリティを考えずに損切りの位置を設定すれば、コツコツドカンでも、理祖的だと言われる『利大損小のトレード』も・・・大差は無く、利益が上がらない結果にしかなりません。
知識が不足していると、損切りになれば、失敗トレードだと考えてしまいがちです。実際に損失に直結するので、悪いイメージはあると思います。それが続けば、損切り貧乏いう言葉があるように、悪いイメージばかりが先行します。
ルール通りに狙った所で損切りしているのであれば、損切りとしては正しい損切りなので正解です。仮にそれが連敗だったとしても正解です。逆に、狙った所で損切りせずに利益に変わったとしても、それは失敗です。
個々のトレードが利益になったかどうかでは無く、ルール通りに実行出来れば正解トレードです。
個々のトレードに対して反省する事に意味はありません。どんなに検証をしたとしても、先が分からないのが相場ですから、損切りは絶対に発生してしまいます。
個々の値動きに関しては、原因を探ったとしても明確な答えが分かる人はいないので、意味がありません。全てのトレードで勝つのでは無く、トータルで勝てれば良いのがトレードです。
損切り貧乏の対策として、SLを設定するとポジポジ病は改善される
初心者の頃であれば、エントリーと近い位置に損切りを設定する効果はあります。損切り貧乏になりますが、迷わずに確実に損切りを実行する為に必要な設定です。
勝率が90%だとか100%だと言っているトレーダーも損切りを設定すると確実に負けます。
例えば・・・
20pipsの損切りを設定して『買いポジション』を持つと簡単に損切りになってしまいます。
逆に・・・
20pipsの損切りを設定して『売りポジション』を持っていたら勝てるのかと言うと・・・それも損切りになっています。
要するに、『売り』『買い』どちらで負けてしまいます。このような状態が当然のように起こります。『買い』で失敗したから『売り』・・・が通用しません。
自分はいつも負けるので、買いだと思った時には、売りポジションを取ったら勝てる
こうはならずに・・・どちらも負けてしまいます。
上がるか下がるかのような2択の選択肢があれば、どちらかが正解だと考えるのが一般的です。しかし、トレードの世界ではその理屈が通用しません。
この事に気が付くのは、チャートと向かいあって試行錯誤を繰り返す中でしか見つけられません。
エントリーポイントと近い位置にイグジットを置くと損切り貧乏になる事に気付けば、改善出来る事に気付くはずです。
値幅を取るには知識と技術が必要なので、初心者が値幅を取る事は出来ません。
必然的にエントリーポイントの近くでの勝負になります。このような場合は、イグジットポイントを置いてしまっては、売り買いどちらも失敗してしまう確率が高くなるので、手動決済を選択する方法を取る事になります。
近いレートと遠いレートがあった場合には、当然近いレートでイグジットする確率の方が高くなります。値幅を取りに行けば、遠くにイグジットポイントを置く必要があるので選択肢にはならないでしょう。
結果として、損切り設定をせずに目先の数pipsを取りに行くトレードをします。そのような状態が長く続く事が無いので、俗に言われるコツコツドカンで致命傷を負います。
コツコツドカンで致命傷を負うと、利大損小にすれば勝てると、安易な発想に行きつきます。一方がダメなのであれば、他の方法が正解であると考える、丁半博打的な発想(確率が50%)に行きつきます。
プロスペクト理論を語る事になりますが、ほぼ100%の確率で、ウィキペディアのコピペを引用したような、ABテストを展開してくれます。そして、利大損小にすれば勝てると・・
ただ、この部分で自分勝手な解釈を混在させてしまうので、利大損小にすれば勝てるというような間違った解釈になってしまっていると思います。
そのまま、素直に読んでいけば、
利益を得られる場合には、リスク回避
損失になる場合は、損失を回避する
となります。
要するに、『合理的な判断をせずに、潜在意識や先入観で意思決定をしている。期待値を考えて行動する必要がある』と説いています。
理論を正しく理解せずに、自分の解釈を混在させてしまうので、盲目的に利大損小を推奨してしまいます。
実際は、利大損小が実現出来たとしても、利益につながっていないはずです。
あくまでも合理的な判断する為には期待値に裏付けされた判断が必要です。利大損小がそのまま期待値を上げる効果はありません。
エントリーした瞬間の値動きは、『上に行く確率』『下に行く確率』は50%の確率に収束しますが、エントリーとイクジットの条件があるので、勝率も50%に収束する訳ではありません。
この部分の理解が曖昧だと間違った判断をしてしまいます。
上級者と初心者が同じエントリータイミングで、トレードしたとしても優劣はつきます。
数回のトレードでは値が収束しないので、どちらの成績が良いのか分かりませんが、一定回数以上であれば、期待値の成績に収束していきます。
期待値というのは、ざっくりいうと、何度も同じ行為を行った時に、推測される結果の事です。
個々のトレードの結果がどうであったのかは重要では無く、何度も繰り返す事に意味があります。
何度も同じことをやり続ければ、期待値の値に収束していくのが確率です。
期待値がマイナスであれば、利益を減らし続ける
トレードでは期待値のプラスのルールを実行して、何度も同じ事をする必要があります。同じ事を繰り返さないと確率に収束しませんし、データの見直し、改善も出来ません。
理論は確立されているのですが、それがどの程度の期待値であるのかは各自で計算する以外の方法がありません。
トレード教材では、色々な条件提示がされていますが、『より細かい部分』『より深い部分』に関しては論じられていません。
中には、『部分的には正しいけれども・・・』『条件が成立すれば正しいけれども・・・』と言うのが多々あります。
利大損小で言えば・・・
負けるときは小さく、勝てるときには大きく。これがきちんと繰り返されるのであれば、利益が積みあがる事は間違いありません。
ただし前提条件があり、『適正な損切りする。適正な利確する。損失よりも利益の幅が大きい場合は利益が積みあがる』と言う意味です。
期待値を考えて改善するのであれば、
『優位性のあるポイントでエントリーして、エントリーの根拠が崩れたらイグジットする』
これが大前提で、コツコツドカンであれば、プラスになる位置で、エントリーとイグジットをすれば良いとなります。
実際に、コツコツドカンであっても優位性のあるロジックを組む事は出来ます。
ボラティリティを考えてイグジットポイントを設定するだけなので、作業としては、『利大損小』のロジックを組み立てるのと違いはありません。
教材に書いてない部分まで検証するのが我々トレーダーの仕事です。
同時に書いてある事が正しいのか、再現性があるのかも同時に検証する必要があります。
経験を積んで『勝率を上げる』『利幅を取れるように工夫する』などと言われる事がありますが・・・
一定のルールでエントリーをしている以上は、いくら経験を積んだとしても、どちらも改善する事は出来ません。経験値で決定される訳では無く、ボラティリティのみが決定要素です。
エントリーした時点で、自分の出来る事は無く、マーケットに答えを聞く以外はありません。