ダウ理論を使っても初心者が勝てない理由


ダウ理論はFXで勝てるのか

ダウ理論の基本的な考え方としては『反発を確認してからエントリーすれば、トレンド継続が確認できる』と言うものです。

米国の株式市場を考えれば、最高値を更新しながら上昇トレンドを継続しているので、優位性があるのであろうと想定する事は出来ます。

未来の事は分かりませんが、現時点では歴史が優位性を証明しています。知識や技術がなくても、買いっぱなしであれば利益が出ます。

これを米国の株式市場ではなく、日本株や先物市場であったりFXのクロス円に無条件に当てはめられるのか・・・

無条件に優位性があると断言できますか?

多くのトレード教材がある訳ですが、優位性があるかどうかを検証していません。

FXのクロス円でいえば、中長期的に見た場合には、下降トレンドになっています。

中長期の視点で見た場合には、

 上昇トレンドのアメリカ市場
 下降トレンドのFXのクロス円

これを同じ土俵で考えても良いのでしょうか?

誰が見てもわかるような客観的なデータを示す必要がありますが、見た事がありません。

優位性を証明するためには、支持線を明確に定義する事が最低条件になりますし、トレードの勝敗に大きく関係するエントリーとイグジット条件も明確に定義する必要があります。

ダウ理論の優位性を力説するトレーダーに、同じレート、同じチャートを手渡したのであれば、どのような結果になるでしょうか?

例えば15分足のチャート、ティックデータ、出来高のデータがあるとします。

出来高のデータが無いと、ダマシに合う確率を判定出来ないので、出来高のデータの定義をしなければなりません。

1本のチャートを形成するためには、同じレートの複数のティックデータが存在する事になるのですが、どのタイミングでエントリーするのかによっても成績が違ってきます。

軸にする時間足によって調整をする必要がありますが、15分足であれば4000ティック程度を目安に考えれば良いでしょう。

数回のティックデータで支持線が形成されたと判断させるのか、数10回なのか、数100回なのか・・・

トレーダー毎に、違った支持線の定義になります。

もう少し条件を緩和して、確定したチャートで判断したとします。

十字線になる場合には、どのレートを抵抗線として定義するのか?

下限レートと上限レートではどうなるのか?

抵抗線を定義した場合に、反発を確認した定義も必要です。1pipsなのか、2~3pipsなのか、10pipsなのか・・・

結果として、10人いれば、10人の定義になるでしょう。

数回のトレードであれば、成績のばらつきが少なかったとしても、10・・・100・・・1000・・・と回数を重ねれば、小差が大差になっていると思います。

優位性を確認できないような設定の場合もあると思います。

定義をせずに、客観的な統計データを取る事出来ませんが、いきなりダウ理論が登場して、そして優位性があるようにすすめられてしまいます。

客観的に判断できる統計データで優位性を確認する必要があります。

結局のところ、明確な定義をせずに曖昧な部分を多くしたり、各所で裁量判断を加える・・・このような話に落ち着きます。

客観的なデータとは程遠い、一貫性の無いデータの集合体になります。明確な定義をせずに、トレードを再現するのは非常に難しくなります。

感覚に頼るようになると、客観的なデータとは対極なトレードをする以外にありません。

このような簡単に見えるような条件だとしても、数値化するとなると一筋縄ではいきません。数値化できないと統計データを取れないので、検証作業をせずに都合の良い部分だけを切り取るような説明が繰り返されます。

ダウ理論で一貫性のあるトレードを実践する

トレードで勝つための条件の1つに『一貫性のあるルールでトレードをする』と言う事が言われます。

『トレンドは転換するよりも継続しやすい』この部分に焦点を当てて、説明が進められていく事もあります。

このように定義すると、一貫性のあるトレードが実現しそうには見えます。

では何が問題なのか?

結論から言いますと・・・優位性に対して問題が発生します。

上昇トレンドにおいて、トレンドの継続を判定する条件は、直近安値で反発する事が条件になります。

この条件でトレードすると、『直近安値を割り込んだ場合には、トレンド継続していない』と判断する事になります。

ここがイグジットポイントになります。要するに・・・損切りポイントになります。

直近安値を割り込んだ位置で損切りをすると、結構深い損切りになります。損切りが深くなるので、利幅を大きく取らなければ、勝つことは出来ません。

単純な方程式です。

例えば・・・50pipsの損切りになってしまった場合には、最低でも50pipsの利確が必要になります。

10pipsを利確するのか、50pipsを利確するのかでいえば、近いレートの方がタッチしやすいので、10pipsで利確する方が勝率は高い事は明らかです。

利幅を大きく取ると、必然的に勝率は下がります。

値動きの反転が繰り返されるたびに、心理的にブレが生じるようになります。人間心理として当たり前の感情に左右されます。

口で言うのは簡単ですが、実行しようとするとかなりのストレスが生じるようになります。

遠いレートを利確ポイントに設定すると、利確まで届かずに、損切りになってしまうトレードを多く経験する事になります。

負けられないトレードなのに負けてしまう・・・結果として利確を近くに置くようになります。

初期段階で、50pipsの利確を設定していたとしても、40、30、20pipsとして勝率の維持を優先するようになります。

このような状態では困るので、値幅を大きく取るような工夫が必要になります。

心理的に左右されないようにシステム的にトレードすれば解決できると考える事は出来ます。

トレンドの継続が確認された時には、トレーリングシステムの構築した場合にはどのようになるのか?

強いトレンドを確実に取るためには、トレーリングストップの値を大きく取る必要があります。トレンドを大きく取る代わりに、強くない場合は、勝ったとしてもほとんど利益が残せません。

逆に、強いトレンドでなくても確実に取るには、浅いトレーリングの値にする必要があります。

浅いトレーリングは確実に利益の確保には貢献しますが、強いトレンドの恩恵は得られずにほとんど取りこぼします。

システム化すれば、感情の排除できますが、場面場面で裁量判断を入れられないので、難易度は高くなります。

結局のところ、『トレンドは転換するよりも継続しやすい』を根拠にすれば、一貫したルールでトレードする事は出来ますが、利益を出すには、難しくなります。

ダウ理論はどんな金融商品でも通用するシステムとしている前提条件から考えていく必要があります。

ダウ理論はどんな場面でも有効だとは限らない

ダウ理論そのものに優位性があると判断している場合には、トレンド継続でトレードをすれば勝てると考えがちです。

優位性があるのであれば、最低でも勝率50%以上と考えるでしょう。100%に近い勝率を想定しているかも知れません。

例えばですけれども、トレンドがはっきりしない場合には見送り、チャンスが来るまで待つ・・・

などと言われます。

表面的な部分で考えれば、正解のように感じます。

しかし、条件が整わないので見送った場合には、どうでしょう?

予測に反してトレンド継続である場合もあります。

条件が整ったのでエントリーした場合にはどうでしょう?

予測に反して、トレンド転換している場合もあります。

要するにチャートパターンで判断したとしても、結構な確率で予測は外れます。

予測精度の高さをどこに置くのかで評価が分かれるとは思いますが、レートの予測と言う点においては、大差はないと思います。

結局のところ・・・エントリーした瞬間には全くわかりません。

勝てるトレーダーとの境界線は、目先のトレードと、その先にある『トレードの影響度』の比較が出来るかどうかだと考えています。

 目先のトレードをすべて勝つ前提でトレード
 どうなるかわからない前提のトレード

全て勝つ前提であれば、

 もっと早くエントリーすればよかった
 エントリーしなければよかった
 早く利確すればもっと利幅が取れた
 早く利確しなければ利幅が取れた

などの反省に始まり、利益から損失に転換してしまうトレードを極端に嫌うので、取れる利幅は小さくなってしまいます。

勝率を最優先にすれば、このようなトレードになっていきます。

どうなるのか分からないトレードでは、

最低試行回数をクリアするようにトレードをすれば、ある値に収束していく事が分かります。

1回のトレードに意味はなく、たまたまそうなっただけなので、勝ち・負けに意味はありません。

検証結果に収束していくためには、勝ちトレード・負けトレードに関係なく、トレード回数を重ねなければ確率に収束しないので、同じ条件で淡々とトレードをする事になります。

勝率によって最低試行回数は変わっていきますが、50%の勝率であれば400回弱のトレードが必要になります。

トータルで総利益>総損失する事がトレードの勝ち方なので、個々のトレードにこだわりはありません。

目先のトレードを優先するのか、その先にあるトレードを踏まえて、トレードするのかは重要なポイントです。

目先のトレード結果が全体の重要度からすると、無視するに値する程度の影響度しかありません。

負けトレードを避けるようなトレードを繰り返すと、エントリー条件が複雑化するので、トレードを難しくする方向に進んでしまいます。

損切りが出来ないトレードは難易度を高くします。

ダウ理論で勝つためには裁量判断が必要になる

ダウ理論を採用して勝ちトレードのみを拾っていこうとすると、裁量判断が必要になります。

裁量判断が必要だという事は、基本的な考え方を理解した上での応用が必要である事を意味します。損切り幅を大きく取れば、機能する時期、しない時期が定期的に存在します。

簡単に言ってしまえば、トレンド相場とレンジ相場が交互に来る事は言うまでもないですが、色々な角度からの判断が必要になります。

相場環境に合わせて、手法を使い分けるとなると難易度は必然的に高くなりますし、知識や経験の裏付けのない状態での判断になれば、勝率を最優先するトレードから逃れられません。

結局のところ、レートは上がるか下がるかなので、同じような値動きが繰り返されます。かと言って、過去のチャートから未来の予測をするような話でもありません。

トレンドが継続する前提なのであれば、どの程度まで継続するのか・・・現在地はどの位置にあるか・・・その場合の勝率、期待値の算出が必要です。

勝率が分からないと、最低試行回数の算出が出来ないですし、期待値が分からないのであれば、イクジット条件の算出が出来ません。

表面的な部分にだけ、焦点を当てるのではなく、判断の根拠であったり、根拠を導き出した過程が重要です。

勝率や期待値を算出したとしても、それが確実に機能するかと言えば、それも確実ではありません。

あくまでも過去のレートに対しての数値でしかないからです。

検証⇒改善の無限ループがトレーダーの仕事ですし、どこまでやったのか、どのような切り口でロジックを組み立てる方が重要だと考えています。

結果として、意味の無い検証も多く経験していますし、収束するはずの確率から大きく外れる連敗も経験しています。

結果に結びつかないのであれば、相場環境が悪いのか、構築したロジックに問題があるのかの判断が必要になります。

判断するために必要な知識や経験を積む必要があると理解できます。

何が必要で、何が必要でないかを取捨選択できるように学習していく、学ぶ姿勢を持ち続ける事がトレードで勝つ秘訣だと考えています。