ダウ理論が使えない理由は簡単です。


ダウ理論が有効かどうかが簡単に分かる方法

ダウ理論が有効かどうかを判断する方法は簡単です。有効だと主張しているトレーダーの運用成績を見れば分かります。

有効ならば、実績を公開した方が説得力があるので公開しない理由はありません。しかし・・・多くの場合は、自分の成績を公開していません。

実績を公開出来ない専業トレーダーや元金融機関従事者ばかりなのが現状です。モラルやプライドの欠片も無いのでしょう。

機能する場面だけを切り取って、『ダウ理論だけで勝てます』的な話を展開して、有料教材へのプレゼンにつなげていくような使い方がされます。

結局のところ、ダウ理論だけでは勝てないので、『有料教材を手に入れれば、勝てるのではないか』と幻想を抱かせて誘導していきます。

ダウ理論は基本中の基本なので、丸暗記すれば勝てるような錯覚をさせる事が出来ます。

チャートパターンに意味はなく、たまたまそうなっただけの話で、それこそローソク足1本の意味を考える方が重要だと思います。

 

最近見かけるようになったのは、トレードの成績を公開して、実績が出ているように偽装している方法です。

勝ちトレードばかりではなく、失敗トレードも含めての公開なので手が込んでいます。

1日のトレード成績が掲載されているので、実際にトレードしているように見えますが、偽装トレードです。

FXの場合は、デモトレードが使えるので、偽装が可能になります。

デモ口座での実績ならば、誰でも簡単に作れるので、全く意味はありませんが、実践経験の乏しい初心者を相手にするには、有効な擬装方法です。

初歩的なものでは、デモ口座を2つ準備して、反対売買の両建てをすれば、どちらかが勝ちます。

億単位の口座残高に設定している事を隠して、勝った方の履歴だけ公開すれば問題ありません。

履歴のみで口座残高が無いような場合は偽装の可能性が高いと思います。

この方法は有名なのですが、多くの初心者はデモ口座を使わないので簡単に信じ込ませる事が出来ます。

有名になりすぎてしまったので・・・最近は口座残高まで掲載している手の込んだ方法も使われているようです。

画像加工ソフトで残高を書き換える方法なので、騙されないように注意する以外の方法はありません。

多くの場合は、手の込んだ方法でなく、専業トレーダーや元金融機関従事者と宣言して、ダウ理論の優位性を語るだけで、有料教材のプレゼンである事がほとんどです。

ある程度知識がついて、実践を経験してくるとこのような教材に騙される事はなくなります。

2、3分の時間があれば、教材を売りたいだけの偽物か、トレーダーなのかの区別はつきます。

これを言っては、元も子もないですが・・・

『理解したところで、勝てるようにならないので意味がない』こんな結論にたどり着きます。

偽装トレードに注意
デモ口座で両建ての履歴を掲載しているトレード偽装が多いので注意が必要です

ダウ理論だけでは勝てない理由

ダウ理論は理論であって論理ではありません。

従って、条件設定をして、論理(ロジック)にする必要があります。

仮に優位性のあるロジックを持っていたとしても、裁量を入れる事によってはじめて機能します。

裁量を入れる必要があるので、重要な部分は隠したままで教材を作る事が可能です。

ダウ理論をベースにして、順張り、逆張りのロジックを展開する事も可能ですし、トレンド相場やレンジ相場の教材も作れます。

順張りでも、ブレイクアウトと押し目を狙ったロジックを展開する事も出来るでしょう。

マルチタイムフレームやレジサポを絡めたロジックに仕上げる事も出来ると思います。

中級・上級者をターゲットにするのであれば、インジケータやテクニカル指標を絡めた教材も可能です。

多くの場合は長期的に機能するかどうかを検証しないので、なんとでもなります。

 

ダウ理論の基本は、『明確な転換シグナルが発生するまで継続する』が絶対条件になります。

これをもって、『反発を確認してからエントリーすれば勝てる』となります。

これを全面に打ち出して、聖杯のような話が進められていくのですが、全く役に立たないのが現状です。

理由は簡単で、反発を確認しないとその先が説明できないだけの話で、それ以外の意味はありません。

そうでなければ、レートの上下だけでの話を展開しなければならず、もっと言ってしまえば、陰線でエントリーをしなければならない事を推奨する事になるからです。

値ごろ感でエントリーを決定していく事を意味するとも言えます。

この条件をすべてに適応しようとするから無理がある話で、1つの知識でなんとかなるほど単純ではありません。

そもそも、その1つの条件ですら、成立しているかどかかの判断は出来ません。

反発を確認してからエントリーしたとしても、反発したら必ずトレンドが継続する補償などありません。

トレンド継続をしていると見せかけて、逆行する事はありますし、ダマシの存在があるので、判断材料としては不十分です。

教科書通りになる場合は稀で、数回のダマシがあるのが通常です。それが1回なのか2回なのか、それともそれ以上なのか・・・

ダマシを警戒して、エントリーしなければ、そんな時に限ってダマシでは無かった・・・

などは普通にあります。ですから、反発を基準に出来るのは、後にならないと分かりません。

教科書通りのパターンは知らなけれりばなりませんが、基本通りに勝てるのは稀です。

結局のところ、どちらの可能性もある訳なので、あらかじめどうするのかを決めておく必要があります。

2手3手先を読む必要があるのは当然の話として、色々な角度から判断できるように知識をつけておく必要があります。

誰かの損が誰かの利益である以上、騙し合いになるのが基本なので、相手の裏をかくことが利益を積み上げる必要条件になります。

結局のところ、どうなるんだ・・・って話なんですけれども、誰にも分らないって答えにしかなりません。

あとは、確率での勝負になります。どちらに転んでも良いように、あらかじめ準備が必要です。

トレンド継続の判断
反発を確認してからエントリーしたとしても、反発したら必ずトレンドが継続する補償などありません。
教科書通りになる場合は稀で、数回のダマシがあるのが通常です。

反発を確認してからエントリーしたら勝てる・・・はずない

多くの場合は、教科書通りのパターンを想定してしまいます。上下を繰り返しながらトレンド形成していくのが基本です。

足が確定してからチャートを見れば非常に簡単に見えます。これは都合の良い部分だけ見てしまうからにほかなりません。

基本のパターンしか知らなければ、基本からハズレた場合には全て負けトレードにしてしまう可能性があります。

シナリオ作りなどと言われる事もありますが、シナリオ通りにならない事の方が圧倒的に多いと思います。

次の展開の先にも、更に複数の展開を予測する必要があります。チャートパターンを記憶しているだけでは全く役に立ちません。

反発を確認してからエントリーした状態で、含み損を抱えずにトレンド継続していく事は稀で、ダマシが数回ある事は基本です。

押し目を狙ったトレードでの展開ですが、逆張りトレーダーもいるので、更に複雑になるでしょう。

移動平均線にサポートされる事もありますし、逆に跳ね返される事もあるでしょう。上位足の抵抗線に押さえつけられる可能性もありますし、抑えたと見せかけて、一気に加速してぶっ飛ぶ事もあります。

抵抗線がサポートラインに変化するような展開もあるでしょう。

キリ番(ダブルオー)が近くにあれば、激しい攻防に巻き込まれる事もあります。

出来高を考慮するのがダウ理論の原則になりますが、

 多い、少ないの基準はどこに取るのか?
 時間帯によって荷重はどのように取るのか?
 メジャー通貨かマイナー通貨の基準はどこに取るのか?

全て定義しないと判断基準を作る事は出来ません。

東京時間、ロンドン時間など、時間帯にも左右されますし、重要指標の発表が待機しているのであれば、展開も違います。

大口のトレーダーが参加しているかどうかでも展開は違うでしょう。

想定していない状況での、サプライズが絡めば、サポートラインは全く機能しなくなります。

それぞれにダマシがあると想定すると、無限の可能性があります。

無限の可能性の中から情報の取捨選択が必要になり、色々な角度から判断する必要があります。それをリアルタイムで判断する必要があるので、難易度は高くなります。

それに加えて、どこにイグジットポイントを置くのかによって結果は違います。

損切りが浅ければ、損失被害が少なくなる可能性がある一方で、損切りポイントをかすめてから、トレンド継続をしているのに、取りこぼす可能性もあります。

利益につなげるには、損切りにかからずに、利確ポイントに到達する位置でイクジットを置く必要がある事を意味します。

上がるか下がるかだけでいけば、ランダムウォークをしますが、イグジットポイントを絡めれば全く違う展開を想定しなければなりません。

ざっと考えただけでも、このような状態ですから、50%の確率を当てるゲームではありません。

当たるかハズレかの話であれば、数百、数千分の1の確率を当てなければなりません。

相場は誰にも分らないという理由が以上のような理由です。

トレードの良し悪いを考えても意味はない。確率の問題でしかない。

足が確定してからの後付け講釈であればなんとでも言えますが、リアルタイムでは全く分かりません。

アナリストのご意見をありがたく聞きたくなりますが、全く意味はありません。

例えばなんですけれども、

上位足の抵抗線で跳ね返されたので、カクカクシカジカ・・・意味ありますか?

そもそも配信されているレートが違うので、意味ないでしょう・・・無限にある要因がそれぞれ絡み合ってレートに表れているのに、カクカクシカジカ・・・適当すぎますよね。

一見同じようなチャートパターンだったとしても、次の展開は全く読めません。色々な要素が絡み合って、たまたまそうなっているだけだからです。

根拠と言う点からいえば、どうなるのかは全く分からない状態でエントリーとイグジットをする事になります。

『条件を設定して、後は確率で勝負する』となるのですが、

トレンドは永遠に続くことはなく、いずれトレンド転換する事はわかっているのですが、それがいつなのかは分かりません。

過去の確率からトレンドが継続している可能性の高い条件が揃っている時にエントリーをしているだけで、何の保証もありません。

正解の場合も不正解の場合もあります。同じ条件でトレードしている一定の確率に収束していくはず・・・という根拠を元にトレードする以外の方法はありません。

それぞれが独立した事象であり、それが確率計算です。たまたまそうなっただけなので、個々のトレードに意味はありません。

いつも基本通りに動くのであれば、売買が成立しないので、相場が機能しません。

トレードは騙し合いなので、聖杯があるのであれば、それを逆手に取る手法が出現するので、すぐに聖杯ではなくなります。

ダマシがあるのが普通なので、ダマシに合う可能性を少なくするためにフィルターをかけて勝率を上げる工夫が必要です。設定位置をどこで取るのかによって機能する場合としない場合が出てきます。

同時に、ダマシにあったとしても被害を最小限に抑えるために損切りでリスクヘッジをするのが基本です。