メンタルが弱いと勝てないなんて言い訳だ。どんな状況でも平気なら退場する可能性大。


『トレードで大切なのは資金管理とメンタルコントロールが必要だ。売買ルールよりも重要度は高いかもしれない・・・メンタルコントロールが出来なければ勝つ事は出来ない。』

ある程度トレードの経験があると、このような事を言い出す事があります。メンタル云々を言うレベルで無いようなトレーダーもいるので注意が必要です。

自分よりも、明らかにレベルの下の初心者に向かってウンチクを垂れているだけに感じています。

トレード初心者が『メンタルを鍛えて稼ぐぞ~』って言い出したら・・・怖いです。何を優先するのか分からないのが初心者ですし、自分のレベルを正確に判断出来ないのが初心者です。

メンタルを鍛えるイメージは、どんな状況になっても平然としてる事を想像すると思いますが、そのような方法は無いと考えています。

人間に限らずですが・・・『恐怖心や痛み』を感じることが出来るので、生きて行く事が出来ています。

『恐怖心や痛み』を感じないようでは、対処が出来ません。何も感じないようでは、治療が出来ないので、命を落としかねません。痛みを感じる事で、今後の身の振り方が分かるようになります。

メンタルは鍛えられない事を教える事が最優先です。

トレードの世界も同様で、恐怖心があるので、学習しますし、身の丈に合わないポジションは持たないように、自制心が働きます。

自制心が働かない状態で良い結果をもたらす事はありません。レベルによって恐怖心のレベルは違いますが、常に恐怖心は持つ必要があると考えています。

メンタルはコントロール出来ませんが、コントロールする仕組み作りは出来ます。

 どのような状況になっても対応出来るスキルを身に付ける事
 検証に裏付けされているトレードシナリオを組み立てる事
 状況に応じて判断出来るように経験値を積む事

このようなステップを通して、平常心を保つ事を目的とします。どの項目もチャートを見る前の行動で、あらかじめ『こうなったら、こうする』と決めています。想定はしていますが、想定通りにならない事が多々あり、決め打ちでトレードするのは危険です。

シナリオを作る事から始まり、検証作業を繰り返す事によって、メンタルの影響を受けにくい状況を作り出す必要があります。結果として、勝ちやすい状況になる訳です。

コントロールするのでは無く、影響を最小限にすれば良いと考えています。『メンタルを鍛える』と言われると、抽象的すぎて何をすれば良いのかわかりません。

 

本番に100%の能力を発揮したいのであれば、練習段階で120%の能力を身に付けてる必要があります。追い込まれた精神状態で良好なパフォーマンスを出せるのであれば、平常時にはその数倍の成果が得られるはずです。

ゴルフの初心者であれば、素振りをすれば理想的なスイングが出来たとしても、ボールを置いた瞬間にスイングの再現性が落ちます。

それが出来たとしても、練習場で出来るスイングが、コースでは出来ない。

練習ラウンドで出来ても本番では出来ない・・・追い込まれた状況になると出来ない・・・それぞれの段階で壁があります。経験をする事で慣れてきます。

 

自身の経験でも分かる話で、『初めてのおつかい』『初めての自転車』『初めての幼稚園』『初めての旅行』などなど・・・慣れない事をするには緊張感がつきまといます。

同じ事を何度も経験していると対処法が分かりますし、慣れる事でメンタルの影響は受けづらくなります。

自分ひとりで完結する作業であれば、経験すれば解決してしまう事が多いですが、トレードのように相手があるような場合は、全く影響が無い状態には出来ません。

メンタルを鍛える事で克服できる訳では無くて、経験値を上げる事。要するに慣れている状態にする事が最善です。いくら経験を積んでも全く影響を受けない状態にする事が出来ない場合もあります。

 

トレードでメンタルの問題だと勘違いするのは、経験の無い値動きや想定外の値動きに翻弄されているだけです。

メンタルの影響を受けているように錯覚するのは、ざっくり言ってしまえば、

 ルールが一貫していない
 地道な検証作業が出来ていない

結果として、何が起こるか分からないから緊張するだけの話です。『ルールも無い』『適切な判断をするスキルも無い』にも関わらず、都度最適な対応をしようとするから無理が生じます。メンタルの影響では無く、単純にスキル不足です。

 

検証作業から、

 損切り、利食いの位置が分かっている
 どの程度のドローダウンが想定されるのか分かっている
 どの程度の利益を利益が出せるのか分かっている

あらかじめ決めたルール通りにトレードをすれば、緊張感も無く、淡々としていられます。

検証作業も出来ていない、一貫性のあるルールも無い状態では勝てるはずはありません。

トレーダーとしての最低レベルの作業をしていないのに、精神論で解決しようとするのが間違いです。メンタルは鍛えるのでは無く、経験する事で改善する事が出来ます。

当たり前の作業をしていれば、メンタル云々の問題では無いと気付きます。

ルールを作る為に、『少額トレードで経験値を積んでいる』と反論があるかも知れませんが、ルールを作ってからトレードに参加するのが基本で、練習はデモ口座でやりましょう。

 

トレーダーとしてやるべき作業をしていれば、メンタルの影響を受けないと言っても、常識の範囲での話です。自分の器に合わない大きさの金額を扱えば、メンタルの影響は受けます。

これは避ける事が出来ません。

もし仮にメンタルが鍛えられて、『何事にも影響を受けない鋼のような心』を手に入れてしまえば、危険な精神状態です。資金管理が出来ない事を意味するのですが、自制心が働かないので、全く恐怖心がありません。

トレード=ギャンブルのイメージを想像させる行動を意味します。アドレナリンが出まくってしまうのでしょう。

何の恐怖心も無くイケイケで、皮算用で突っ走ります。多くの場合は良い結果になりません。短期間で莫大な利益を得て、一瞬夢を見る事が出来ますが、多くの場合は一瞬で退場していきます。

 

メンタルの影響を受けたままでは、疲れてしまうので、資金管理をする必要があります。資金管理をする事で精神のバランスを取る事も必要なスキルです。基本的なスキルがあることが前提である事は言うまでもありません。

メンタルの影響を受けてしまうのは、ポジションを取った後にチャートを見ているからなので、見ないようにすれば影響を受ける事がありません。

これがサラリーマンの最大の強みでもあります。ザラバが見られないからデイトレは出来ないと考えている間は初心者の域を出ていません。トレードの基本はエントリーをすると同時に決済注文を出すのが必須です。

決済注文を出してしまえば、チャートを見たところで何もする事がありません。当然・・・メンタルの影響を受けません。物理的に不可能と言えるでしょう。

勝ち組トレーダーの多くが実践しているので有効な対処方法だと思います。

時間をどのように配分していくのかも重要です。トレードの幅を広げる必要があるとすると、チャートを見る時間の優先順位は必然的に下がります。

何もする事が無いのに、チャートを見る必要はありませんし、『上がった』『下がった』と一喜一憂しているよりは、他の作業に時間を多う方が健全です。

エントリーする前の作業の重要性が理解出来ないので、適切な判断が出来る訳でもないのに、意味なく見てしまうのでしょう。トレードをしているような気になっているだけです。多くの場合は神経すり減らして、その上で資金も減らすだけです。

仮に利益を出せたとしても、神経をすり減らすような方法は、時間の使い方としては良くないでしょう。

デイトレのイメージとしては、チャートを何枚も並べて激しくトレードしていると思いますが、エントリー前の判断材料にしているだけです。

打診買い、積み増し、ナンピン・・・一瞬のチャンスも見逃さないトレードをする必要はありません。こんなトレードをしているのは一部のスキャルトレーダーだけで、多くは何もしていないと考えています。

そして、忙しくポチポチしなくても勝てるのがトレードの良い所です。

チャートを見て適切な判断をしたいと考えているのであれば、その考え方を改める必要があるでしょう。ポジションを取る前に勝負は終わっています。勿論全てのトレードで勝つと言う意味ではありません。

最低試行回数をクリアしていけば、検証した数値に収束していく事が分かるので、必要に応じて調整をする程度で良いです。

適切な判断が出来るのであれば、決済注文を入れているはずです。適切な判断が出来ない人がチャートを見た所で意味はありません。メンタルを揺さぶられるだけです。

暴落が起こると『メンタルコントロールが出来ていないと慌てる』と言われますが・・・ポジションを持っていなければ、慌てる事もありませんし平常心です。

仮にポジションを取っていたとしても、決済注文を入れていれば問題ありません。多少のスリップページは避けられませんが、その程度です。

思うところがあるとすれば、『損切りの出来ない素人がソワソワしてるだろうなぁ』・・・それくらいです。

含み損に耐えた所で、メンタルが鍛えられる事はありません。恐怖心を克服して、将来の成長を信じて、含み損に耐える事が出来た・・・自己満足です。

実際には、苦しいだけなので意味はありません。鍛えられているような勘違いは出来ますが、同じような状況になった場合には、同じ行動を取るだけなので、成長する事も無いでしょう。

耐える事は間違った方向に努力をしているので、次のトレードに生かす事すら出来ません。稼げないだけでなく、時間の無駄遣いです。

多くの場合は間違ったトレードをして資産を減らすだけです。チャートを見て良いのは、適切な判断が出来る上級者のみです。

メンタルの影響を受けにくくする為に必要な作業は、

 一貫した売買ルールを作る
 地道な検証作業をする
 身の丈にあったポジションでトレードする

これに尽きます。

要するに、トレーダーとしてやるべき事をする以外にありません。基本通りにトレードすれば、エントリーと同時に決済注文を入れるのでチャートを見る必要が無いので、影響を受けようがありません。

特別な事をする必要は無く、当たり前の事をしていれば、必然的に影響をうけなくなります。

『メンタルコントロールが出来なければ勝てない』この発言自体に意味が無い事が理解出来ますし、自然に出来るようになっています。