投資信託がお勧めできない理由は儲かる可能性が低いから


投資信託の利益の源泉は販売手数料と信託報酬のみ

投資をする際に問題となる大きな要因は、『資金がない』『リスクが怖い』『知識がない』という調査結果があります。

これらの問題を解決する手段として、投資のプロが運用をしてくれるので投資信託を入り口として考えていると思います。

投資信託は、金融機関でメシを食っているファンドマネジャーが投資家から資金を集めて運用してくれる・・・

その利益を投資家に分配する・・・こんなイメージだと思います。

『プロが運用するのだから、何の知識も無い素人が運用するよりは成果を出せるだろう』と考えてしまいがちです。

 

目論見書をみれば分かりますが、証券会社の利益は販売手数料と信託報酬のみです。

どのような運用成績であったとしても、証券会社の取り分には全く関係がありません。売買の代行をして、わずかな手数料を搾取する業務をしています。

運用の成果から利益を出しているのではないので、顧客の損益には関心が無いと理解する必要があります。

重要なのでもう一度言いますが・・・

代行業務なので、リスクを取るのは顧客側になり、損失だろうが、利益だろうが、全く関係ありません。

丁半博打で言う所の胴元の役割を担っているだけの業務です

大口の顧客では無い、庶民の損益には更に無関心なのは想像する事はたやすいです。

 

結果として、利益を出す努力をしないのか・・・利益を出す技術が無いのか・・・分かりませんが、中長期の運用成績は、90%以上の商品がマイナス運用になってしまいます。

『プロの投資家がサルに負ける』などと比喩されますが、返す言葉が無いようなお粗末な運用成績です。

このような状態であれば、『当り』を引く可能性は限りなく低いので、

顧客には儲かるような説明をしていますが、自分の資産を投資信託で運用しないのは、金融業界の常識とされています。

運用成績で報酬が決定されるような、成果報酬型の収益構造であれば、利益を出す事が最優先になるはずですが、そうではない事は最低限の知識として知る必要があるでしょう。

投資信託の仕組みや収益構造まできちんと理解しないままに、知識不要で楽して儲ける事ばかり考えて資金投入をしているように感じます。

証券会社は、自分の利益につながらない業務を、見ず知らずの顧客の利益のために汗水たらして、身を粉にして、労働する事はありません。

自分に置き換えてみれば簡単に分かる事ですが・・・

自分を犠牲にして、長期間無報酬で仕事をしてくれるようなボランティア気質にはならないと思います。

『お客の笑顔が見られたら、何もいらない頑張る』と言う考えを持っていたとしても、会社側がそれを許してはくれません。

あくまでも、会社から給料をもらう立場にあるサラリーマンですから、顧客の利益よりも、会社の利益を優先させられると考える方が自然です。

投資銀行はリスクを取らずに顧客にリスクを取らせている
売買・管理の代行を手数料のみが収益になります。運用成果から利益を出していないので、成果に責任は持ってくれません。
金融業界では投資信託で運用しないのがの常識とされています。

一般的な社会常識を持ち合わせているような人が投資になると・・・全く幼稚園生のような状態で理解不能になってしまうのはどうしてなのでしょうか?

やり方としては、生命保険の勧誘に似ていると思います。

誰でもわかるような理論に、複雑な部分を織り交ぜながら、理論のすり替えをしていきます。

例えばなんですけれども・・・

顧客から集めた金額をどの程度還元しているのかが分かれば、商品の良し悪しが分かり易くなります。

これを分かりにくくする為に、特約を付けたり、しながら、複雑な商品設計にして、補償内容をわかりにくします。無駄な補償を多くつけたり、他社との比較がわからづらくするのが仕事です。

 

自ら望んで『敗者のゲーム』を選択させる事に最大限の努力をします。

証券会社の利益にするためには、販売手数料と信託報酬になるので、売買回数を多くして、長期間保有させる事で利益の最大化をする事を目指します。

これ以外から報酬を得る事は出来ません。

 

多くの商品を買わせる

多くの商品を買わせるには、分散を勧める事になります。現代ポートフォリオ理論を軸に理論を展開します。

この理論の概念が理解出来れば、一般的な金融機関で働いている『プロ』よりも知識に関しては上位になると思います。理由としては、究極の投資方法が手に入ってしまうからです。

テクニカルな内容が多くなるので、難解な理論になりますが、難しい部分を全て読み飛ばしても実践する事は非常に簡単になります。

一般的には、常識だと考えられている事を、数値の裏付けをしながら、『同じリターンであれば、リスクは小さい方が良いでしょ?リスク回避をしましょう』って結論です。

『卵を一つの籠に盛るな・・・』これを実践するだけなので、非常に簡単な理論に落ち着きます。

出来る限り取引回数を多くさせる

リスク分散の延長線上になるのですが、銘柄の分散に時間の分散を絡めて『ドルコスト平均法』を展開します。

運用成績がどうなるかは関係ないので、分割して買わせるのが一番利益が上がります。

『少額から投資出来る事を決まった時期に決まった額を投資するため、基準価格の上下に気分を揺さぶられる事がありません』など説明すれば、楽して稼げそうなニオイには、弱いので非常に簡単に理論を進める事が出来ます。

都合の良い部分だけを切り取って、下落局面では平均購入単価を下げる事を強調すれば、矛盾に気付かれる事なく説明する事が出来ます。

特定の金融商品に対して、定期的に『一定金額』ずつ買付ける投資手法です。価格が高いときには購入する量が少なくなる一方、価格が安いときには購入する量が多くなります。

結果として、平均購入単価を低くする事が出来ます。

ドルコスト平均は、同じ金融商品に投資していく事になるので、分散効果との間に矛盾生じる事になりますが、メリットを強調すれば問題にならないでしょう。

長期保有をさせる

『長期投資にすれば、手数料がかからないですし、税金を払う必要が無い事も強調しつつ、複利効果を絡めて説明していければ、長期間保有する事に疑問を持つ事は無いと思います。

『過去の暴落のたびに何度も復活しているので、投資はプラスサムゲームです』などと言っておけば盲信してしまいます。

長期投資が有効だと言われる根拠は、アメリカ市場のデータを元に作られた理論なので、長期投資が有効かどうかはだれにも分かりません。それがアメリカ市場であったとしてもです。

日本市場もバブル崩壊までは同じように信じられていますが、その後は・・・崩壊したままの状態が続いています。

今後も同じような事がアメリカ市場で起こる可能性だって同じような確率である事はいうまでありません。

分配型のアクティブ運用を薦められてしまうと、矛盾が生じる事になりますが、不思議と『たこ足運用』に気付かないようです。

長期投資のメリットをなくしてしまうような事も平気でしますし、客に不利だとしても、同じ商品の乗り換えも進める事も普通に実行してしまいます。

子供だましのような理論でも、通用してしまうのが投資の世界です。

顧客ファーストでは無く会社ファーストが基本
顧客の損益を最優先するのではなく、手数料稼ぎにつながるのであれば、そのように理論を展開していくのが投資銀行です。サラリーマンは会社の利益を上げる為の歯車でしかありません。自分で売買タイミングを計る努力は必要です。

『元本保証はされない』『投資は自己責任』程度のリスク説明がメインでほとんどの商品がマイナス運用である事を説明される事はありません。

出来る限り運用成績の事には触れずに、『ドルコスト平均法』『長期投資の優位性』を全面に打ち出して理論は展開されますが、大事な資産を運用するのですから、必要な情報を手に入れる必要はあります。

運用成績を開示する義務があるので、だれでも運用成績を知る事は出来ます。

間違っても自分で投資信託の優位性についてマインドコントロールをする事は避ける必要があります。

金の卵を産むガチョウがいるのであれば、お金を出してでも知りたい情報です。そのような話は誰も教えてくれませんが、投資になると、頼んでもいないのに儲かる情報を教えてくれます。

儲かる情報があれば、じぶんだけでこっそり実践すれば良いだけなのに不思議ですね。

自分の利益につながらないのに、時間をかけて説明してくれて、身を粉にして働いてくれる・・・ありえないですね。

これだけを考えても・・・考えるまでも無く、結論は分かるような気がします。

 

『投資のプロってどうやって利益をあげているのですか?』

某都市銀行に出向く必要があった時に、頼んでもいないに、投資信託の話をしてくれたので私が聞いた言葉です。

投資信託は、プロはほとんど利益が残らない収益構造になっているのに高額の報酬になっている。利益がなければ、高額報酬につながらないので簡単な理屈です。

素人からすれば、稼いでいるようなイメージを持っているので、疑問としては当然の事でしょう・・・でも聞く人っていないみたいです。

血相を変えて言い訳するのかと思ったら、見当違いの説明をしてくれるだけで・・・

『投資のプロは利益を上げていません・・・』

とは答えてくれませんでした。

『絶対に儲かるなら買うけど・・・』と答えて帰ってきましたけどね。・・・その後も勧誘電話が何度もありました。ノルマで必死なんでしょう・・・

 

これまでの理論を要約すると、プロが無能であるかのような印象を受けるかも知れませんが、そのようには考えていません。

プロに支払われる報酬は高額であり、報酬の源泉は投資信託のコストになってしまう事が1つの要因だと考えています。

投資信託の収益構造が、パフォーマンスを低下させざるを得ない一面があると思います。

目論見書において、運用方針があらかじめ決められているので、自由度は大きくないでしょう。

結果として、会社の利益にはなるけれども、投資家の利益につながらない商品がたくさん作られる事になります。

多くの商品は利益が出せないゴミですが、一部には素晴らしいパフォーマンスをたたき出す商品がある事も事実です。

この部分を切り取って過去の成績を全面に打ち出して、営業戦略が取られる事があります。この商品に資産を投入していれば、利益が出せると考えられる訳ですが・・・この考え方も通用しないという調査結果も出されています。

色々な価値観や角度から色々な検証がされているのですが、『結果が出る前に優秀な商品を選択する事が難しい』という研究結果に行きつきます。

投資信託であれ、株式であれ、先物取引であれ・・・金融商品であるのであれば、最後は確率の問題に収束される事になります。

投資信託の商品の特性上、上昇トレンドのみでしか利益を出す事が出来ないですから、トレンド判定が出来る事が最低限必要なスキルになりますし、売り買いのタイミングを自己判断出来る必要があります。

LTCMの破綻に学ぶ

『結果が出る前に優秀な商品を選択する事が難しい』という研究結果として有名ななのは、LTCMの破綻です。

ノーベル経済学賞を受賞した2人が参加していたファンドが、アービトラージをハイレバレッジで運用している事を野放しにして被害にあったものです。

金融工学を駆使して、リスク商品の適正価格を解析して、年利40%程度の利回りをたたき出したスーパートレーダー集団です。ノーベル経済学賞を受賞した中でも実用性が高く完成度も高いと評価されています。

過去の実績が将来の利益の延長線上にあると仮定するのであれば、投資先としては、これ以上無いファンドです。

実際の多くの資産家、投資銀行が出資しました。

LTCMも過去の成績を全面に打ち出して、営業戦略を取りました。ファンドなので成果報酬型になるので、成果によって報酬が決定される事になります。

理論上は勝率100%も可能なのですが・・・数年で破綻してしまいました。

結果として、『投資のプロ』が『スーパートレーダー集団』に同じようにカモられる事になりました。

名門のUBSが7億ドルの損失を筆頭に、日本の住友信託銀行、メリルリンチ、クレディスイス・・・など世界中の投資銀行がカモられたのですから、付ける薬がありません。

市場効率化仮説が機能しなかったという結果になっていますし、市場効率化仮説が成立しないのであれば、テクニカル分析、ファンダメンタル分析も意味が無いのではないか・・・との研究結果につながっています。

『投資のプロ』が『スーパートレーダー集団』にカモられて、その『スーパートレーダー集団』がカモられて・・・とすると、プロが素人にカモられる可能性も指摘されており、投資の世界では不思議な事が当たり前のように起こってしまいます。

結果を踏まえて、『スーパートレーダー』『投資のプロ』『素人』『サル』も大差は無い・・・

結果だけを見れば、反論出来ませんが、金融工学を駆使して、適正価格を判断出来るスーパートレーダー集団に素人が勝つ事は非常に困難だと思います。

ランダムウォーク理論が論じられる事になり、理論の無限ループにつながっていきます。

分からない事はたくさんあるのですが、過去の実績が将来の実績の延長線上に無いので、実績から将来の予測をする事が出来ない事だけが分かっています。