ファンダメンタル分析のデメリットは売買のタイミングが分からない事



ファンダメンタルはアナリストによって分析結果にバラツキがある

まずは、テクニカルを使った売買はタイミングをどのような方法で決定しているかに話していきます。

値幅を取る事が目的なので、

 ドル・金・石油・大豆・トウモロコシ・個別銘柄など値動きがあれば何でも良い
 材料・通貨政策・自然災害・政局・戦争など上げた理由、下げた理由など理由を問わない
 すぐに撤退出来るように出来高・ティック回数が多い場合しか参戦しない

以上のようになります。要するに上昇トレンドであれば買い、逆に下降トレンドであれば売りとトレンドに沿った売買をします。

トレンドフォローは損切りを早くして、勝率を低くした方が利益率が高くなる傾向があるので、出来高の多い場所で取引をする事が重要になります出来高・ティック回数が少ない場合もスリップページの影響を受けてしまうので、重要度は高くなります。

損切りの幅を小さく取るとスリップページの影響が大きくなってしまうので、浅すぎる損切りの設定は避けるべきでしょう。また勝率が低すぎるのも精神的な影響が出てしまうので避けた方が無難だと思います。

深めの損切りであれば勝率が高くなり、浅めであれば勝率は低くなります。勝率は利幅の調整でコントロール出来るので優先順位は低いです。

根拠が崩れれば手仕舞いなので、逆行すれば損切り、そしてトレンド転換まで保持して手仕舞い、利食いとなります。ポジションを取った後は確率の問題なので、エントリーした瞬間にそのトレードは終わりです。

世界中のトレーダーやアナリストが様々な価値観・角度から情報分析をして、ポジティブな理由があれば買い、ネガティブな理由があれば売りと売買行動をしてくれるはずなので、目の前についている価格が正しい前提での売買行動をするだけなので、売買タイミングは明確です。

同じデータを使って解析すれば、誰が解析しても同じ結果を得る事が出来ます

ファンダメンタルは現在のレートが理論値に対して割安か成長を期待できるかなどを重要視します。

企業であれば、技術力、革命的な発見・発明などの潜在的な成長する材料があり、積極的な経営戦略を取るなどが重要視されます。業績に連動して株価に反映されていくと言う考え方です。

雇用統計、消費者物価指数、政策金利など様々な指標を組み合わせて分析していきますがグローバルな経済情勢ですから、各国の経済指標も含めての解析になります。分析対象が膨大になる事も難易度を上げてる結果になっているのでしょう。

ファンダメンタル分析の場合は、同じデータを使っても織り込んでいる割合が違えばアナリストによって分析結果が違います。場合によっては同じデータを準備出来ない可能性もあります。各社の情報収集能力にも差があると思いますが、データ解析能力の差もあるでしょう。

我々のような外部の人間からは分かりませんが、各社の情報を比べるとアナリストによって分析結果が違う事だけは分かります。

プロ集団でもこのような状態ですから、凡人が少々かじった程度では正確な情報分析の難易度は高いでしょう。正確に分析出来ないのであれば、大量の情報を集めたとしても無意味です。情報を集めるのでは無く、正しく正確に分析出来るスキルを身に付ける事が優先されると思います。

分析結果にバラツキがある
テクニカルは誰が解析しても同じ
ファンダメンタルはアナリストによって分析結果が違う

テクニカル派とファンダメンタル派は売買行動が異なる

ファンダメンタルの基本的な考えは割安である事が重要視されます。そして成長して企業価値が同等であると認められている企業は選択肢に入らない事になります。

従って、下落トレンドになるとファンダメンタル派は割安感が出るので買いポジションを取る事になります。更に下落すれば割安感が増しますから更にポジションを積み増す欲求に悩まされることでしょう。

対してテクニカル派はトレンドに沿った投資行動になるので、下落トレンドは売りポジションを取る行動になります。更に下落すればポジションの積み増すチャンスになります。

ファンダメンタル派の買いたい所はテクニカル派の売りたい所になります。割安である事を重視しているのかトレンドを重視しているのかで見解が異なるので全く逆の売買行動になります。

要するに、割安感を重視するのかトレンドを重視するのかの違いです。何を根拠にするのかによって全く逆の行動を取る事になります。自分が買いたいと思った時に買えるのは、同じレートで売りたいと思った人がいるから売買が成立している事を忘れてはいけません。

売りたい人の行動が分かるようになって初めてトレードを理解したと言えます

 ここは割安だから買いたい』と思うのでは無く、
 ここは割安だから買いたいと思っている人がいるだろうなぁ』と思うかの違いです。

空売りする人に気持ちは買いポジションを持っている人のちょうど逆の心理状態になります。上がるチャンスだと思っている時に下がるチャンスだと思っているのですから、何故そのような気持ちになるのかを理解すれば、マーケットを深く理解する事ができるでしょう。

テクニカル派の場合はトレンドに逆行した場合には損切りですが、ファンダメンタル派は割安感が増すので買い増しになります。テクニカル派がポジションを閉じる一方でポジションの積み増しをする根拠になります。全く逆の売買行動になります。

ファンダメンタル派は割安感を根拠に売買する事になるので、逆行したとしても根拠が崩れないので損切りが出来ません。逆に高値を付けたとしても、売った後のレートが上がる経験をしていると『まだ上がるのではないか』と思って売る事が出来ません。

その後逆行している状態を見ると『もう一度上がった時に売り抜けよう』と思っている間に逆行が進んでしまっている状態を作り出します。結果としていつ売れば良いのか分かりません。

レートが企業価値と同等になったら売る事が推奨されていますが、それがいつになるのか分かりませんし、価値が同等になるまで上がるのか、手前で失速するのかも分かりません。いつかその日が来れば良いのですが、永遠に来ない可能性もあります。

そもそも分析した結果が正しいのかどうかも分からないですし、何をどこまで調べたら正解にたどり着くのかも分かりません。

『あの時売っておけば』『あそこで買い増ししていたら』など堂々巡りをしてしまい、損切りも出来ない、利食いも出来ない状態で、売買タイミングが全く分からない事がファンダメンタル分析の弱点になります。

売買行動が異なる
 ファンダメンタル派は割安である事を根拠に買い
 テクニカル派は下落トレンドを根拠に売り
売りたい人の行動が分かるようになって初めてトレードを理解したと言えます

 

一般投資家と機関投資家では得られる情報が平等では無い

長期投資をする場合にはファンダメンタル分析が必須になるので、情報の取り扱いについて考えてみたいと思います。

一般投資家と機関投資家では情報の質と量が差が歴然だと言う事です。昨今は情報化社会と言われていますが、有力な情報が個人レベルで手に入る事はありません。有力な情報とは、一般公開してはならない情報であったり、高額で取引されるようなデータや情報を意味します。

有力な情報を世間に流すには違法行為であったり、社内規定に反する行動なので、あえてそのような行動を取る可能性は低いでしょう。

一般公開されるような場合には、誰もが知って良い情報であったり、情報として価値が無くなった情報しか手に入れる事は出来ません。とにかく一般投資家と機関投資家では与えられる情報が平等では無い事を念頭に置かなければなりません。

誰もが知る事が出来る情報であったり、価値の無い情報を元に売買をする事になれば、リスクを負う事になります。

プロの場合は、価値のある情報を元に売買出来ますし、その情報が一般投資家では手に入らない事も承知している訳ですから一般投資家はカモにされる可能性があります。

表だって行動する事は出来ないかも知れませんが、仕込みが完了してから一般的な稼げる情報としてネットに情報を流す事可能性はある訳です。そうすれば、無知な一般投資家が飛びついてくる事が想定されるので、高値をつかませて売り抜ける事が可能になります。

自分が買いたい時にはネガティブな情報を流せば良いですし、逆に売りたい場合は買いたくなるようなネタを情報として流せば良いでしょう。

情報番組やネットニュース・情報誌を元に売買をしているような場合は、誰もが知っても良い情報を元に売買をしている事を認識しなければなりません。

これらの情報が正しい情報なのか、間違っている情報なのかを判断する事すら出来ないのであれば、カモられる可能性が高くなります。

自分がネットで得た情報は新鮮であり、情報弱者をカモに出来そうだと考える人もいますが、世界中のトレーダーが常時監視しているマーケットで勝負している事は忘れてはなりません。

情報だけでなく、環境も歴然とした差があると想定されます。

価値のある情報を使って様々な角度から分析するプロ集団と、価値の無い情報で浅い知識で分析するのでは、結果に差が付くのは当然でしょう。

圧倒的な分析時間を取れるプロに対して、本業とは別の時間を捻出しなければならない状況では、環境の差は歴然でしょう。

仮に価値のある情報を手に入れる事が出来たとしても知識やスキルの範囲での分析になるので、正しい結果をはじき出せるのかも怪しい状況になります。

プロ集団の中でも個々のレベルで言えば、同じ情報を使っているにも関わらず、利益を出せるトップトレーダーがいる一方で、全く生かせないトレーダーもいる事を忘れてはいけません。

仕事として、トレード環境を与えられているのは一握りのエリートのはずです。しかしながら、その有利な状況を生かせていない事が現実にはあり得る事です。

結局の所、情報は分析する為の判断材料にしかならない事を意味します。そして個人レベルで調べる事に限界がある事も知る必要があるでしょう。