デモトレードを軽視しては勝つ事は出来ない



売買ルールを作る順番大切。デモトレードの結果から作る事は出来ない

『デモトレードは、お試しでトレードする為に作られた物』であると理解している状態では、デモトレードをする段階にはありません。

『失敗をたくさんするべき』『勉強代だ』みたいなことを言う人が結構いますが、失敗をするために行動するんじゃないって事だけは肝に銘じたい。『何の努力もしない』『何の知識も無い』このような人が成功する世界はありません。

失敗をする事を確認する為の失敗は意味がありません。そんな事は失敗はしなくても分かります・・・

意味のあるデモトレードは、構築した売買ルールが機能するかどうかを確認する作業をする為です。すぐに結果を求める必要はありません。1年後、2年後、・・・5年後であっても成功すれば良いのですから、焦る必要は無く確実にスキルを付ける事を優先するべきです。

焦る必要はありませんが、手順前後でムダな時間にする事は避ける必要があります。

売買ルールを構築する作業は、基礎トレーニング的な位置づけなので、地道な作業になります。先の見えない作業をする必要があるので、省略したい欲求に駆られますが、この作業が将来の利益につながります。

デモトレードで得られた結果から売買ルールを作ると作業を早く進められそうな気がしますが、残念ながら省略する事が出来ません。上がる理由も下がる理由も意味が無いからです。たまたまランダムな値動きの結果にしか過ぎず、意味の無い値動きから優位性を導き出す事は出来ません。

数百、数千の要因が影響度を変えて、レートとして表現されたに過ぎず、どの要因がどの程度の影響を与えたのかは誰にも分かりません。原因が分かっているのであれば、誰かが対策しますが、分からないので・・・対策のしようがありません。

結果としてどうなるのかと言うと・・・

 ここでエントリーすべきであった
 ここでイグジットするべきであった
 このエントリーは見送るべきであった

損切りに掛からないような位置に損切りポイントを置いたり、小さい値動きまで利益が出るように逆行する前に手仕舞いしてしまったり、場合によっては損切りポイントを置かないとか、ナンピンをしてしまうようなトレードをしてしまいます。

多くのエントリーが勝ちトレードになるようにルールを構築する事になります。場合によっては全ての場面で勝つようにルールの調整をしてしまいがちです。

値動きの意味を考えてことような行動を取ってしまいがちですが・・・ルールを変えてしまえばゼロスタートです。

ルールを作る→見直す→ルールを作る→見直す・・・無限ループにはまります。確率が収束するには最低試行回数をクリアしている事が最低条件である事を意識しましょう。

このような状態は究極のカーブフィッティングを誘発している行動であり、自分の仕掛けが思惑通りの方向に『行く』『いかない』かだけに焦点を当ててトレードしてしまいます。

一部分の結果に固執してしまうと、正しい条件を導き出す事が出来ません。全てのトレードで勝つ必要は無く、トータルで勝つ意識が無いと勝負になりません。個々のトレードの結果に意味はありません。たまたまそうなっただけです。

目の前にあるレートが全ての答えでありますが、正解を知る必要が無いのがトレードの特性と言えるでしょう。学校の勉強や会社での仕事では経験出来ない不思議な領域です。

意味の無い値動きから最適解を求める事はデメリットはあれどもメリットはありません。

未来のレートは誰にも分からないですから、勝ち負けが出るのは当然の結果です。ランダムな結果でしかありませんから、個々のトレードの勝ち負けに意味は無く『負け=ダメ』という発想は完全に捨てる必要があります。

たまたまそうなった事を元にルールを作る事になれば、いつまでたっても完成する事がありません。

デモトレードをの手順を考える

 第1ステップ 売買シミュレーションをする検証作業(ルール作り)
 第2ステップ 優位性を確認する作業(デモトレードで実践)

ルールを構築してからデモトレードをする事で、時間の短縮をする必要があります。時間も大事な資源ですから無意味な作業は避ける必要かあるでしょう。

全ての場面で有効に機能するルールは無く、少なくても急騰、急落の場面を含んだトレンド相場、レンジ相場を含んだシュミレーションで無ければ全く意味はありません。

どんな状況でも勝てるルールは無いので、勝てる部分のみで勝負する必要があります。この部分が非常に重要です。

どちらで機能するのかは最低でも理解しておかなければならず、どの程度の期間の検証が必要なのかは相場次第なので分かりません。あくまでも期間では無く、色々な条件を含んでいる事が条件です。

レンジ相場で機能するのであれば、レンジから外れる時には素早く手仕舞いする必要がありますし、トレンド相場で機能するのであれば、レンジ相場を回避する必要があります。そして、トレンドが続く限りトコトン追いかける事になります。

利益が積みあがると、利食いをしてしまいたい衝動に駆られますが、ひたすら耐えます。この辺りは経験しないと分からないですが、含み損に耐える以上に忍耐力が必要です。

個々のトレードの勝ち負けの意味はありませんが、意味のある負け方と意味の無い負け方はあります。自分の決めた通りのルールによって負けたのであれば貴重なデータです。ルール無視で負けたのであれば、データにならない負けだと理解してください。結果に対して、一喜一憂することはありません。

一貫した売買ルールで仕掛けると『合う』『合わない』は当然出てきます。不調な時期は冷静な対応が必要ですし、改善の必要があるのかも含めて検討する事が重要だと考えています。

ルールが機能する時は、天下を取ったように機能する場合もありますし、逆に底なし沼に突入したかのような場合もあります。優位性はマーケットに聞くしかないので、こればっかりはどうしようも無いですね。

意味のある負けと意味の無い負けが理解出来るようになれば、次のステップの入り口に立った事を意味します。

 面倒なルール作りはやりたくない。
 損切りは精神的に辛いからしたくない。

面倒な事、やりたくない事をした人が勝ちトレーダーになる権利を手にします。

やりたくない事をやらないので多くのトレーダーは勝つ事が出来ません。嫌な事から逃げ回る行動が成功へ導いてくれる事は無いでしょう。

 

最低試行回数を考えてルールを構築する必要がある

 売られ過ぎで買いポジションを取る
 高値圏で更に買いポジションを取る
 上昇トレンド続く限り手仕舞いしない
 逆行した場合には素早く手仕舞いする

優位性のある場面は、『多くの人が損している場面』『多くの人が楽観している場面』が利益を出すチャンスです。人間が持っている価値観では、避けたい状態にある場合に優位性があると考える必要があるでしょう。

ストレスなく、ポジションを取る事が出来るのであれば、その売買ルールは優位性が無い可能性が高いでしょう。誰かの損が利益に変わるのがゼロサムゲームです。今さら感が強くて、説明は不要ですね。

デモトレードで勝てるまで、ルール作りをしようとすると非常に手間の掛かる作業になります。1つの売買ルールの有効性を確認する為には数100回のデータが必要になります。

勝率50%であったとしても、最低試行回数は384回必要です。ブレイクアウト系のルールであれば、勝率が30%程度に収束されるので896回必要になります。

それが有効で無いとなれば、同じような手順が必要になります。

ルールの構築ですから、目の前の損得に心が揺さぶられる事はありませんが、地道な作業の繰り返しで心が折れる事も多いでしょう。

デモトレードはスリップページが無いですから、リアルトレードよりも圧倒的に有利だとしても勝てる売買ルールの構築は一筋縄では行きません。

しかし、世間ではデモトレードでは勝てるけれども、リアルトレードになると負けると言い放つ素人トレーダーが多いです。完成していないルールで勝負しているように思います。

完成していないルールで勝負したのであれば、デモトレードの意味を成していません。あくまでもデモトレードは優位性、再現性の確認をする事に意味があります。

デモトレードは初心者だけの物では無い

デモトレードで勝つ事が出来ればリアルトレードにデビューです。デモトレードでルール通りに勝てるのであれば、リアルでも必ず勝てます。

現実的に言えば、勝率50%であったとしても10連敗する事もあります。ですから、何があっても良いようにポジションは小さく・・・これが必須条件です。

初心者の時は、始めは恐る恐るトレードしていたとしても、すぐに大きなポジションでトレードをするようになってしまいます。

値幅を取ることが出来ないので、どうしても大きくポジションを取る必要があるのは理解出来ますが、危険ですよね。怖いもの知らずで突入出来るのは、『初心者あるある』です。

これは、上級者でも通る道なので仕方ない面はあるでしょう。痛いを経験しながら、成長していけば良いので良しとしています。

マーケットは生き物ですから、一回ルールを作ってしまえば終わりではありません。ルールが状況に合わないとなれば、またデモトレードで調整を図る事になります。

上級者であれば、デモとリアルを行ったり、来たりする事も多いと思います。

トレードの幅を広げる意味でデモトレードで平行して検証する必要もありますし、採用しているルールの調整の為に利用している事も多いと思います。

デモトレードは軽視されがちですが、ほぼ同じ条件でトレードのテストが出来きます。不十分なルールで実践してムダな損失を避ける事が出来るのですから、利用しない理由はありません。