スワップ運用はレバレッジ2倍、3倍で運用すれば大丈夫。こんな間違いはしていませんか。



スワップ運用は知識不要で誰でも簡単に始められるってホント?

初心者がFX取引を開始する際にスワップ金利を目的に運用しようとする事があると思います。低金利時代ですから高金利通貨での運用に目を奪われるのは理解出来ます。実際にポジションを取って1日経過すれば日払いで金利が受け取れます。知識不要で誰でも出来るのですから魅力的に映るでしょう。

FXは9割の人が負けると言われているのに自分だけは勝ちまくっている。『低レバレッジで運用すれば大丈夫だ』と心の底から信じているのでしょう。余力計算さえしておけば間違いは無い。欲を出さずに低レバレッジで長期運用に徹すれば良いのだと。

『金の卵を産むガチョウ』を得た満足感に浸っているのだと思いますが、残念ながら数年で退場してしまうのが現実です。

20年~30年程度の長期運用を力説するのですが、実際にスワップ運用で結果を出しているトレーダーは皆無です。長期運用が出来ていないにも関わらず、適当な空論をばらまいているゴミ手法です。

FXが個人に解禁されたのは、1998年4月の外国為替法改正以後です。(財務省HP)

この時代に運用を始めた人すらほとんどいません。この時に始めたとしても2007年には一掃されているので、せいぜい10年程度の経験しかありません。

この時期を含み損で乗り切ったとしても、1回の円高を乗り切ったに過ぎず、経験値としては圧倒的に足りません。

現実的には、乗り切る事が出来ず・・・知識も経験も得られず無駄な時間を消費しただけ・・・です。

スワップ運用に限らず、長期運用は数年で退場する歴史を何度も繰り返します。

レバレッジの意味を考えない大多数の標準的な初心者の発想です。ちまたではハイレバレッジは危険と言われていますから、低レバレッジであれば安心であろうと考えているのでしょう。

99%の人はチャートを見て取引していると言われていますが、チャートを見ないでFX取引をする数少ない部類の人がここに含まれているのではと推定しています。

適正レバレッジを計算して、2倍のレバレッジで運用した場合、3倍、5倍の場合とレバレッジ計算をしているようなサイトを数多く見かけると思います。ドル円の通貨ペアを例に出して、20円、30円逆行しても大丈夫だと力説していたりします。ドル円であれば、100円から70円になる計算です。現実に起こる事の可能性はかなり低いので油断している事と思います。

余力計算を十分にしているので、運用方法としては間違っていないように感じます。しかし、数年で運用出来ない状態になってしまいます。

 

スワップ運用が成功すれば名を残せます
FXが個人に解禁されたのは、1998年4月の外国為替法改正以後です。
20~30年の長期運用にだれも成功していないので、日本で初めてのスワップ運用の成功者になれます

低レバレッジの方がハイレバレッジよりも危険になる理由

『低レバレッジの方がハイレバレッジよりも危険』となっている奇妙な現象のカラクリを考えてみたいと思います。

ハイレバレッジで運用している人よりも低レバレッジで運用している人の方が、多くの損失を出してしまうケースもあります。低レバレッジの方が危険と言われるとキツネにつままれたような感覚になるかも知れませんが、スワップ運用では逆転現象が起こる事が少なくありません。

レバレッジが低ければ安心だと言いたいのは理解出来ますが、実際には耐えられそうで耐えられません。過去のチャートを引っ張り出して、最安値までは〇〇円ですから。。。と説明していたりします。あくまでは過去は過去でしかありません。

実際には理論値であったり、直近安値を超えてくる事は普通にあります。リアルタイムではどこが最安値なのかは分かりません。

実際にレバレッジが5倍程度であれば安心と言われていますが、リーマンショックでは2倍のレバレッジでも余裕で死亡しました。計算上は耐えられるはずですが、どうして耐えられないのでしょう。

答えは非常に簡単で、レバレッジの基本的な考え方が理解できていないのです。レバレッジの基本が分かっていないのですから、FXを取引出来るレベルでは無いのです。基本レベルの本を読めば分かる程度の知識すら持ち合わせていません。

ルールを知らずにゲームに参加している状態ですから、退場するべくして退場しています。野球でもテニスでもバレーボールでもですが、ルールを知らずに勝てる競技はありません。ルールは最低限知らなければいけませんし技術が必要です。トレードも同様に勝つ為には知識と技術が必要です。

余力計算だけでは勝てない訳ですが、何が必要なのでしょうか?必要なのは実効レバレッジの概念です。

取引額÷有効証拠金=実効レバレッジ

 実効レバレッジが低くなれば証拠金維持率があがりポジションに対して余力が大きくなる
 実効レバレッジが高くなれば証拠金維持率が下がりポジションに対して余力が小さくなる

実効レバレッジとは?安全なレバレッジとは?

そもそもの前提条件が間違っている事に気がついていないのです。為替変動によって、ポジョンの増減は無くても、実効レバレッジが日々変化してしまいます。実効レバレッジがの概念が欠落しています。取引前にレバレッジの計算をしていたとしても無意味です。

実効レバレッジを考えなければハイレバレッジでも低レバレッジでも程度の差はあるにせよ、リスクしかありません。

リスクがあるのですから、長期運用でも短期運用でも逆行した時の戦略が必要です。逆行した時には損切りが必要です。スワップ金利は日々加算されていきますから、長期運用をしていればいつかは元に戻ると考える事は出来ます。しかし、机上論でしかありません。

考え方のベースがマーチンゲール手法と同じです。マーチンゲールのリスクはすぐに分かりますが、『長期運用すれば。。。』とタラレバ運用も同じリスクです。

下がった物は上がる、上がった物は下がると楽観していると致命傷になる事さえあります。

ここからは実践的な話をしていきたいと思います。

現実には10円の下落は普通にあります。その時には損切り出来るレベルをはるかに超えていますから、損切りは出来ません。楽観していたツケが回って来た訳ですが、その頃には大抵がトレンドが変わっています。長期運用を決め込んでいるとトレンドの概念が欠落しているので、すでに手遅れになり打つ手がありません。

手遅れですから含み損が膨らむのを

 『明日は上がってくれ』とお祈りを始める
 『長期投資だ』と自己暗示をかけて放置

以外の方法がありません。じわじわと下降を続け強制決済が来るのを待つのみです。

資金量に関わらず、レバレッジの高い順に、一人・・・一人・・・加速度的に強制決済の売りが続く事になります。

この状態が続くと、一時的に行き過ぎたレートになるので、自律反発状態が起こりますが・・・全員退場するまで繰り返されます。

一発逆転を狙って更にポジションを追加して強制決済を早めてしまう事もあるかと思います。ポジション追加の自殺行為をせずとも追加資金を投入して耐える事を選択するかもしれません。

運よくこれで救済されたとしても、これから先も逆行する場面に遭遇した場合にも同じ行動を取る可能性が高いので、結局は退場します。

ハイレバレッジであれば、早々に強制決済されているのでまだ救いようがあるかもしれません。しかし、低レバレッジの場合は余力があるので、多くの資金を入れている為に根こそぎ資金を溶かしてしまいます。

低レバレッジの方が安心感はありますが、逆行した時に損切りをしない戦略の場合は低レバレッジの方が大きな損失になってしまいます。

高金利通貨の場合は買いポジションが積みあがっていますから、前触れも無く想定以上の下落局面になる傾向がある事は肝に銘じた方が良いかと思います。

スワップ運用をする前に知っておくこと

スワップ運用は高金利通貨での運用ですから、『金の卵を産むガチョウ』のように錯覚してしまいますが、得られる金利以上に為替リスクを抱えている事を肝に銘じた方が良いと思います。分かり易く一言で言えば、ハイリスクローリターンです。

低金利の定期預金と比較すればハイリターンに感じます。しかし、為替リスクとの相対評価になるとローリターンと言わざるを得ません。

金額ベースで言うと2年間でコツコツ貯めた80万円のスワップ金利を一瞬で250万円を飛ばしてしまう位は普通にあります。もっと大きな資金で運用している人は笑えない金額を飛ばしているようです。

ひとたび暴落が始まるとじわじわ下落して、最後は恐怖に耐えられなくなって売りが売りを呼ぶ状態になり、ストップ注文がまともに刺さらないような悲惨な状態の場合もあります。

異常すぎるスプレッドの拡大やスリップページで口座残高マイナスになってしまう場合もあります。

取引業者はリスクを理解しているのですが、『逆行した場合にはリスクがあります』程度のアナウンスしかしてくれません。何故なら、実際に取引をしてもらわない事には事業が成り立たないからです。ですから、誰でも簡単に利益が出せる所に焦点を当ててきます。実際に為替リスクが無ければ非常においしい取引です

公式サイト以外でも、スワップ金利の高い業者をランキングで表示したり、おすすめしている場合があると思います。実際にはスワップ運用をせずに、公式サイトにある金利一覧をコピペしているだけです。

面倒な事は避けたい欲求は理解できますが、誰でも簡単に稼げる方法にも関わらず優位性がある方が不自然です。

短期運用でも長期運用でもリスクがありますから、逆行した時にには損切りをする必要はあります。長期投資の場合には、週足や月足のチャートを見る事になるのですが、トレンドの転換点に差し掛かった時には、損切りポイントを明確にしておきましょう。

勝ちトレードの事しか考えていないと確実に退場する事になると思います。必ず逆行した時に戦略は必要です。

逆行した時に戦略がしっかり出来ていれば、ハイレバレッジでも低レバレッジでもリクスは同じです。しかし、損切りが出来ない場合は資金が尽きるまで、強制決済がありませんから、ハイレバレッジよりも低レバレッジの方が損失が大きくなってしまいます。

金額の損失も痛いですが、失敗から得られた経験値がほぼ無いと言う事です。普通にトレードしていたらここまで、一瞬で大きな金額を失う事はありませんし、多くの失敗も成功も経験できますから、授業料と割り切る事も出来ます。

低レバレッジのスワップ運用はハイレバレッジよりも大きな損失になり、一回の暴落で致命傷になってしまうだけになってしまいます。

損切りが出来ない場合は・・・
資金が尽きるまで強制決済が無いのでハイレバレッジよりも低レバレッジの方が損失が大きくなる

ハイレバレッジは危険で低レバレッジも危険・・・ではレバレッジ1倍ならば安全なのか?

レバレッジ1倍と言えば、少額取引のように感じますが、ドル円が100円の時に1万通貨であれば100万円の取引をしている事になります。イメージとは違い大きな金額を取引している事になります。

それであれば、FX自体が危険なのか?と言えば・・・それは違います。

危険と言う意味合いで言えば、100倍も1倍も大した違いはありません。そもそもレバレッジは『資金効率』が良いか悪いかで、普通にトレードしているのであれば、違いはありません。

レバレッジを気にしているのは、スワップ運用をしているトレーダーだけです。

低レバレッジであれば、大きな値動きに耐えられるので、強制決済される可能性が低いだけの話です。大きな値動きに耐えられる事が正論のように語られますが、リスク商品に投資している以上はリスクヘッジが必要です。

レバレッジが危険なのでは無くて、リスクヘッジが出来ていない事がリスクの正体です。リスクヘッジの方法はトレンドを理解して、逆行した場合の戦略を持っていなければなりません。

逆行した場合の戦略が含み損に耐えるだけでは、戦略には成りません。要するにリスクヘッジになっていない事を意味します。

低レバレッジ運用をする事が戦略だと反論されるかも知れませんが、ヘッジが出来ていないようでは戦略とは言えません。ハイレバレッジでは強制決済されて退場する事でリスク回避をする事が出来ますが、低レバレッジがゆえに、全損に近い状態で退場する可能性もある危険な戦略です。

仮にヘッジをするのであれば、相関係数を計算して、アービトラージ戦略を取る必要はあります。

相関係数が変化しないのであれば、1つの選択肢には成り得ますが、実効レバレッジと同様に日々変化するので、一歩間違えば逆にリスクになってしまう事もあります。

リスクヘッジが出来ない状態でマーケットで生き残る事は出来ないので、遅かれ早かれ退場します。タラレバ理論で生き残れる程マーケットは甘くありません。

レバレッジ規制が掛かったのは何故?規制をかければ安全性は高まるのか?

ここで1つの疑問が生じる事になります。

レバレッジ規制が掛かったのは何故なのか?と言う事です。頭の良い官僚がが『投資家保護のためにレバレッジを下げる』と言う案を考え付いたのだと思います。

レバレッジを下げる事に意味はありませんが、知識不足の状態の人がほとんどですから、イメージ戦略だと理解すれば良いでしょう。

『運用資産の何倍も取引出来るなんて危険だ』と考えている一般人は多いですから、それに沿う形にすれば理解が得られると考えるのは自然な流れです。一般人に向けての体裁は整います。

トレーダーからすれば、含み損が大きくなるだけで、無意味な事は『秒』で理解出来ます。

そもそも勝ちトレーダーはエントリーと同時にロスカットラインの設定は完了しているので、大きな損失になる事自体がありません。

低レバレッジ規制の影響はありませんし、ハイレバレッジであったとしても・・・意味は無いですね。

一般人と同じように低レバレッジであれば危険度が下がると勘違いしている事が危険ですし、安心感がもたらすデメリットも考慮する必要があると思います。

退場してしまうようなトレーダーは資金管理が出来ていませんし、リスクヘッジが出来ていないのですから、レバレッジを何倍にしようとも退場します。

正確なデータは有りませんが、レバレッジ規制した後も同じような割合で退場していると考えています。根拠としては、レバレッジが効かない株の現物取引でも損切りが出来ない、資金管理が出来ない状態であれば普通に退場しているからです。

要するに・・・レバレッジの問題では無く、何の戦略も持たず相場に参加する事が退場の理由だと考えています。

資金の何倍ものトレードが出来ると考える事が間違った考えだと理解すべきでしょう。

レバレッジ規制は無意味
レバレッジを何倍にしようとリスクヘッジが出来ていなければ退場します。資金の何百倍ものトレードが出来るから危険と考えるのは間違っています