損切りが基本であると言われている一方で損切り不要と言う人がいる。~それでもあなたは基本を無視しますか~



基本は膨大なデータの裏付けの上に構築されている

トレードの教科書を見れば、損切りは必須であると書かれています。要するに損切りをする事が基本であると言うスタンスです。そして余裕資金でトレードをする事、資金管理が重要、トレンドフォロー戦略が基本であるとも言われています。

どの分野においても、基本をおろそかにする達人はいないと認識されています。トレードの世界も例外ではありません。要するに基本あったりセオリーを無視する事は達人への道を自ら閉ざす事になる事を意味します。

プロは基本を知らないレベルの人はいません。プロとはその世界で食っている人を指します。

トレードで言えば、技術レベル、資金レベル、情報収集能力の有無、価値観の異なる人が参加している訳です。それこそプロレベルから、自称プロ、素人に毛が生えたレベル、素人レベルまで様々な人が参加しています。

良い結果が出た場合も悪い結果が出た場合もあり、沢山のデータがある事でしょう。

様々な結果を検証、実践、改善が繰り返えされ、結果として、得られたデータを検証して、優位性であるとか再現性があるとか効果がある物を『基本』としている訳です。それこそ膨大なデータの検証結果のベースの上にあります。

実践から導き出されていたり、長時間のデータであったり、それこそ膨大なデータをベースに構築されている物が『基本』です。価値観も多様ですから、色々な角度から検証されている事も重要な要素です。時代によって有効とされている事柄も変化していて、その都度、検証、実践を重ねて、ブラッシュアップを繰り返されている事も忘れてはいけません。

素人に毛が生えたレベルの思い付きや、たまたま結果が良かった物は『基本』とは言わない事を肝に銘じておく必要があります。しかしトレードの世界では『基本』をおろそかにする人の方が圧倒的に多い事に驚かされます。

もともと基本がどのように構築されているのか知りませんから、基本をおそろかにするのです。何故それらの項目が基本と言われているのかを考える事をしない訳ですから、基本の重要性、必要性が理解出来ていません

基本の概念
基本の構築には膨大なデータを色々な角度から検証したものであり膨大な検証時間の上に成り立っている

 

損切り不要論のキーワードは長期投資

基本を無視して、損切り不要論を唱える人の共通点があります。長期投資と言うキーワードがあります。

目先の価格変動に一喜一憂せずに長期目線に立つとの考え方です。そもそも長期投資であれば利益が出せるという数学的根拠がありません。が。。。たたき台に上がるのが過去の暴落とその後のマーケット状態です。

『過去に何度も暴落があるが、その都度回復してきた』だから長期投資は有効であり、損切りは不要であると言うものです。運の要素があるので、たまたま上手く行ってしまっただけと結論づけされています。そもそも論になるのですが、含み損に耐えて元に戻れば損では無いと理解してしまっているので前提条件が間違っています。

『暴落が幾度と無く繰り返されるが都度回復してきた』というのばデータが確定してから、後付け理論でマーケットを評価しただけに過ぎません。将来の優位性に対しては未知数です。長期的な視点に立てば、今後も暴落があった場合には元に戻る可能性があると言う程度でしかありません。

参考までにダウが3倍になっているのに退場者が8~9割もいると言うデータがあるのですが、それは何故なのかを考える必要があります。日経平均株価であれば、2万円から6万円になったのに。。。そんな事有りえる?持ってるだけで良いんでしょう。。。とデータが確定した現在の我々から見れば理解に苦しむデータではあります。

結果として多くの退場者が出ている事は事実である事も含めて考えるべきです。

『損切りは基本かも知れないけれども、イヤだから長期投資にしよう』と消去法を採用している場合が多いと推測しています。単純に損失回避行動と理解しています。

世の中には勝ちトレーダーと負けトレーダーがいます。そしてそれぞれの共通点を知る事が出来れば勝ちトレーダーに近づくのでは無いかと考える訳です。要するに確率の問題で、勝ちトレーダーの共通点、負けトレーダーの共通点を知る必要であると考えています。

勝ちトレーダーの共通点を実施して、負けトレーダーの共通点を避ける事が、最短距離で勝ちトレーダーになる方法と理解すれば良いでしょう。

結局の所、勝ちトレーダーは『基本』の重要性を理解出来るので『基本』を大切にしてにしています。もちろん基本だけではその他大勢のトレーダーになってしまいますから、そこに『応用』をプラスして行く事になります。

勝ちトレーダーになりたいけれども必要な知識を得る事をせずに、自分に取って都合の良い情報だけで勝負しようとするから無理が出てくる訳です。

長期投資が。。。ああだ、こうだ、短期が。。。ああだ、こうだ と言う前に基本を身に付けて、それから評価する必要があるでしょう。基本が何なのかを理解し、それから良し、悪しを論じるべきです。基本を身に付ける為に時間を使わないので時間を持て余してしまう事もあるかも知れません。

結果として、上がった、下がったと一喜一憂し、上下をした原因を探し回るようなムダな時間の使い方は避けるべきす。

損切り以外の方法でリスク回避は出来ない

損切りをしないでどのような方法で逆行する場面を乗り切っているのかと言えば、ひたすら含み損に耐える方法で回避する以外にはありません。利益が乗れば速攻で利食いをしてしまう事はあれども、含み損になるとびっくりするぐらい耐える事を選択します。

両建てで乗り切る方法はありますが、トレンドを理解できていない状態では、一時しのぎにも成り得ず、守りの手法としても機能しません。

急激に逆行すると狼狽売りで解消する方法を取る事で回避する事を選択する初心者がいるのですが、それを横目に見て狼狽売りをする人を自分のスキルが不足しているのを棚に上げて自分よりも愚か者だと下に見るようです。

損切りをしない場合には、逆行した場合の方法が無いので、ただ嵐が過ぎるのを待つ以外にはありません。今日は下げ止まってくれ~とお祈りに全力をささげている事でしょう。何も手に付かない状態で、死んだふりをする事でしょう。

多くのトレーダーが狼狽売りすら出来ずに、何も出来ずにただ耐えるだけ、死んだふりをするトレーダーが圧倒的多数との調査結果もあるようです。

そして、このような状況はバーゲンセールだから、買いをすべきと血迷った事を言い出し、逆張り、ナンピンの必殺技を繰り出す事を選択する初心者もいます。狼狽売りをするトレーダーと大して変わらないのですが、自分の実力を過大評価しているトレーダーは意外に多いので、正当化すらしてしまいます。

トレンドが崩れていなければ、絶好の押し目買いになり、結果オーライになる事もあります。暴落を経験していない場合や含み損に耐えた事で損失を回避する事が出来た事を成功体験として学習してしまうのでしょう。

基本とは逆の行動を取っていますが、結果としてプラスになったのであるから、暴落した時に買いに入るのが自分のルールだと言い出すかも知れません。ルールに従う事が利益を生む方法だと理解はしていますが、ルールを構築の基本を知らないので始末が悪いです。

基本通りにトレードするのであれば、

 トレンドが崩れた時にはポジションを閉じて様子を見る。
 キャッシュポジションを増やしてどちらの方向にもポジションを取れる準備をする。
 下降トレンドの継続を確認したのであれば、目線を下降トレンドに切り替えて売りポジションを取る
 売りトレードのスキルが無ければ見送り(場合によっては数年単位で待機状態になる事もあり)
 トレンド転換をしたのであれば売りポジションを手仕舞う
 買いしか出来ない場合はここで改めて買いポジションを取る

このような一連の動作になります。

結果としてポジションを閉じなかった場合と比較して大差が無い場合や逆に利益の幅を減らす事もありますが、基本をベースにトレードをする事で経験値を積み上げる事でよりよいルール作りのステップにしていく事を目的とします。

ルールを作る為にはベースになるルールが必要ですし、ルールの改善をする際には元になる経験・ルールが必須である事は言うまでもありません。ルールは一度作れば終わりでは無く、その時の状況によって変化させていく必要があります。

損切りであり、利食いの方法を知らない場合は売りで利益を積み上げる事は出来ませんし、暴落をチャンスととらえる基本的な考え方を間違えています。

『基本』は先人たちの努力の結晶である事を理解する

我々のような凡人はまず、基本を学べば良いのでトレード技術の習得の大部分の作業は完了してくれています。勝ちトレーダーの共通点、負けトレーダーの共通点を検証して、基本を構築してくれています。先人達の知恵を学ぶ事が容易になっていますし、昨今ではトレード環境が整備されていて、非常に良い時代になりました。

一方で情報過多の時代ですから、悪い情報もたくさん手に入れる事も出来るようになってしまっています。

そして多くのトレーダーは基本がどのように構築されているのかを知りませんから、基本をおろそかにしたまま退場をしていってくれます。基本を身に付けずに一時的に利益を積み上げ、時間差で退場していく事も多々ありますが、安定したトレードをする為には、基本を身に付ける事を最優先にしていきましょう。

目先の損得に目を奪われて、先人の知恵や経験をムダにしないようにしたいものです。

どの世界においても基本をマスターする事は必須であり、早く上達する為には、遠回りのように見えても、基本を踏まえての応用だと肝に銘じておきましょう。