長期投資と短期投資との違いを区別する理由はカモを作るためだけに必要



長期投資と短期投資で区別される事が多くあります。そしてどちらが稼げるのか・・・有利なのか・・・と議論されています。

初心者向けのトレード教材では、長期投資は素晴らしいけれども、短期投資は愚かな行為だと説明されます。

一般的にこのような区別をされています。

●長期投資
 企業の価値の上昇に資本を投入する
 長期的に保有する
 プラスサムゲーム
●短期投資
 価格変動に資本を投入する
 短期に売買を繰り返す
 ゼロサムゲーム

プラスサムゲームとゼロサムゲームの違いが評価の分かれ目になりそうですが、将来の話ですから、プラスサムゲームかどうかは誰にもわかりません。

プラスサムゲームと言われる根拠は、米国の市場データを元に作られている理論で、何度も暴落を経験しながらも右肩上がりの上昇をしている部分を指してプラスサムゲームと言っているに過ぎません。

かつては日本市場も右肩上がりの成長をしていたので、プラスサムゲームだと言われていましたが、バブル崩壊と共に再起不能状態になりました。

米国市場においても、同じようにバブル崩壊が来る可能性があるので必ずしもプラスサムゲームとは言えません。バブル崩壊後の日本市場を見れば、長期投資も無条件で有利とは言えません。

有名な企業や自分の興味のある企業に投資をするれば・・・なんて無責任な発言を鵜呑みにして、かつてのNTT株やIT関連株のように、バブル期に買ってしまい資産が1/10や1/20になってしまう事はあります。

株価は需給関係によるので、儲かるかどうかは別問題です。

企業の成長に投資する事は素晴らしいけど、値動きにしか興味が無いのは愚かな行為だと言います。企業の成長に興味がある訳では無く、企業の業績が上がれは、レートも上昇するので、つまる所・・・長期投資も短期投資も価格変動に投資していると考える方が自然です。

過去のパフォーマンスが将来のリターンを保証するわけでないですが・・・何故か投資話になると分からなくなってしまうのでしょう。

『投資信託は儲かる』『NISAは儲かる』『iDeCo(イデコ)は儲かる』のカラクリ

長期投資と短期投資を区別する事に意味は無いので明確な定義は一旦おいておきますが・・・長期投資も短期投資もどちらも同じゲームだと考えています。

ミスプライスを探し出して、割安ならば買い、割高ならば売り、確率に沿って優位性のある方向にポジションを取ることになります。

区別する事に意味は無いのに、世間では区別される事が多いのは何故でしょう・・・

金融機関の関係者やフィナンシャルプランナーが自分の商売につなげる時に使う手段を鵜呑みにするのだと思います。

例えば・・・

短期投資であれば、勝負する相手が『投資のプロ』ですから、勝てる事はありません。サラリーマンは本業で忙しいので、日々のレート分析をする時間が無いので長期投資がお勧めです。
毎日の分析が出来なくても、長期投資にすれば、プラスサムゲームなので、複利運用をすれば大きさ資産に成長させる事が出来ます。


結果

 投資のプロが運用する投資信託がお勧めです。
 税制優遇されるので個人型確定拠出年金『iDeCo(イデコ)』がお勧めです。

サラリーマンや素人は、何も分からないだろうから『投資のプロ』が運用してあげます・・・こんな調子で語られます。

要するに不勉強な素人をカモる為のセールストークです。それ以外に区別する使い道はありません。

長期投資も『投資のプロ』も参戦していますし、本業が忙しいかどうかはマーケットには無関係です。何の知識も無い人を稼がせてくれるほどお人よしはいません。長期投資であれば儲けられる・・・そんな訳は無いです。

プロが運用すると言われている金融商品は、上昇トレンドでしか利益を出せない商品ばかりです。『投資のプロ』の実力云々では無く、商品の性質上上昇トレンドでしか利益を出せない仕組みになっています。

要するに・・・誰が運用しても利益が出せる場面でしか利益を出せません。その程度のものですから、自分で運用しても大差ありません。

大差はありませんが、自分の実力や長期投資の優位性の勘違いを引き起こす事は出来ます。

この部分が大問題なのですが、これが間違いかどうかすら判断出来る知識も持っていないので重症です。

日本では長期投資の成功者がいないと言われていますが、結構な割合で長期投資の信者が多いのはこのためです。
(正確に言うと・・・指の数ぐらいが正解だと言われています)

事例がカリスマ的少数派でしかないにも関わらず、それが自分と同等と考えるのは無理があります。

某掲示板を見ると分かりますが、上昇トレンドになると非常に賑わっています。

誰がやっても利益を出せそうな相場で有頂天になって自慢話をしていたり、正気の沙汰とは思えないような大きなポジションを持っていたり、少額投資家をカス扱いしている現状があります。

単純にだれでも利益が出せる相場でしかないにも関わらず、自分の実力と勘違いして、長期投資の優位性を力説するようになります。

数年単位で同じような状態が繰り返されます。

長期投資信者の末路はいつも同じで繰り返される

ライブドアショックやリーマンショックなどの〇〇ショックと名が付くような暴落相場では多くの退場者が出ます。マグレで稼いでいた人たちは市場から一斉に消えていき、本当の実力のある人たちだけが残ります。

某掲示板では・・・

基準価格が下がるから暴落を喜んでいるようなコメントが散見されるようになり、自律反発を底打ちと勘違いして、ポジションを積み上げて・・・そして散っていきます。

トレンド転換を確認してから参戦するのがセオリーですが、この基本的な作業を省略するので悲惨な結果になる事が多々あります。

底が抜けたような状態に拍車かかるような場面が多く、加速度的に暴落していくパターンを多く見る事が出来ます。

 

実際には長期投資も短期投資も難易度の高いゲームで、不勉強な素人が勝てるような代物ではありません。

短期の方がスキルの割合が多くなる一面はありますが、優位性のあるタイミングで売買をする点については同じです。

結局のところ・・・投資期間に関わらずタイミングが全てです。

長期投資に優位性があるのであれば、数十年単位での評価になるのですから、経験年数も数十年必要になります。

実際には数年の経験しか無いのにも関わらず、長期投資の優位性を語ってしまいます。

そして自分が20~30年の長期投資をした結果満足できる結果であった時に、初めてドヤ顔で語らなければ説得力0%です。

何も得られる事なく退場する長期投資

長期投資をする人が最悪だと思うのは、『楽して儲かる』では無く、『何もしなくても儲かる』くらい何もしません。

何もしないのでは無くて、稼ぐ為に必要な作業をしていないという意味合いだと理解してもらえば良いでしょう。

長期投資に必要な判断基準になるのがファンダメンタル分析になるのですが、限られた情報の中で、無限のパラメータの組み合わせを正確に判断する必要があります。このパラメータがやっかいで、状況によって変化します。

多くのアナリストが判断した物をあたかも自分で判断したかのように振る舞うような事しか出来ません。他人が分析した情報を仕入れて、その中で良し悪しを判断しているに過ぎません。トレードで勝つ為の1つの能力を身に付ける事しか出来ません。

自分が分析した結果と比較するのであれば、かろうじて意味がある程度で、その作業がされないのですから無意味です。

全くの勘違いでしか無く、単純に情報収集能力に依存しているだけのトレードです。トレードに関する知識につながらないので、他人依存のトレードからは何も学ぶ事が出来ません。

自分で出来る事をしないで勝てるのであれば、1つの勝ち方ですが、上昇トレンドが転換するまでの夢物語でしかありません。

一時的に稼げたとしても、自分の力で判断する作業が出来てないので、引き際が分からずに・・・結果的に退場する結果になります。

『投資のプロ』が客に薦めている商品で自分の資産を運用しないのが常識だと言われていますが・・・そのようにしないのは何故だと思いますか?

情報分析がそのまま、利益につながらない事を知っているからです。

現在のレートが企業価値において、割安か割高であるのかは判断出来ます。しかし、それが今後のレートにどのように反映していくのかが分からない事を意味します。

需給関係でレートは決定されるので、割安のまま放置される事もあれば、割高であったとしても更に上昇するも同じような確率で起こります。

おおよその適正値の判断ができるようになったとしても、どの程度レートに折り込まれているのかで結果は変わってきます。

情報分析能力に圧倒的に優れているアナリストが勝てないのは、その結果を手にしたトレーダーがどのような行動を取るのか予測不能だからです。

分析した結果が利益に直結しないのであれば、利益を出すためには他の要素が必要になる事が分かります。

長期であろうと、短期であろうと、同じ作業が必要になります。

答えとしては、トレンド判定、環境認識が必要になる事を意味します。

当然の事ながら、トレンドが判断出来れば、下降トレンドでも利益を出す事が出来ます。

未来のレートは分からないですから、明日何が起こっても不思議ではありません。何が起こっても対応できるようにあらかじめ準備しておく必要があると理解すれば良いでしょう。

これが自分でトレードしているかどうかの分岐点です。

自分のポジションが逆行すると、長期投資だからと言って結論を先延ばしにするような事は最低でも避ける必要があります。

トレンド転換を確認したら、ポジションを閉じて、次の上昇トレンドまで死んだふりをすれば良いです。含み損を抱えたとしても同じ行動をするのですから、ポジションを閉じるのが正解です。

自分の大事な資産を投資していくのであれば、『自分の知識の上積みをする必要がある』この意識がゼロなのは問題だと思います。

イギリスの歴史学者の名言
するべきことを先に延ばすのは、もっとも情けない自己防衛である。
シリル・ノースコート(1909〜1993)

市場に参加する時の心構え

他人依存のトレードをして、一時的に利益を積み上げる事はあります。トレンド転換するまで、その状態は続きますから、浮かれる期間は短期投資よりも長いでしょう。

長期目線であれば・・・少し知識があれば・・・などと勘違い出来る期間が長いだけの話です。

一時的に大金を手にしている格好にはなりますが、結果は高い確率で退場します。

トレンド判定が出来れば、撤退するレートの判断は出来ますが、他人依存であれば、判断が出来ません。勝ち逃げられない事を意味します。

安定して、長期間継続して、利益を出すためには、しっかりとした知識と技術が必要になります。

加えて、検証に裏付けされた正しい判断能力が必要になります。

10回のトレード経験と10000回のトレード経験では、同じトレード期間であったとしても、経験値が違います。退場するまでの期間などはあてになりません。

トレードの本質は、自分でエントリーとイグジットの判断が出来る事が最低条件です。

自分で判断するためには何をしなければならないのかを考える必要があります。

判断出来るのではあれば、損失のコントロールは出来きます。

シナリオ通りにトレードするのであれば、必要以上にレートを見る事はありませんし、不要な情報を仕入れるために時間を投資する事もありません。

我々のような弱小トレーダーは自由に出来る時間が圧倒的に少ないですから、勝つ為に必要な作業に時間を投資する必要があります。

トレードに参加する前に勝負は決まってしまうので、検証作業や情報分析に多くの時間を投入する必要があります。ファンダメンタル分析になれば、無限のパラメータの分析になるので、相当の時間を投入する必要があるでしょう。

時間の無いサラリーマンが長期投資に向いているなんて話は、情報弱者をカモるための営業トークでしかありません。

勝者になるために必要な条件が分からないですから、仮に時間があったとしても何もしません。

 

投資のプロが運用する金融商品に投資するのであれば、他人依存のトレードになるので、誰でも簡単に儲かる上昇トレンド転換とともに終わりです。

自分の知らない世界に足を踏み入れるのであれば、最低限の知識は必要です。

そこから利益を生み出すためには、他人以上の努力をして頭1つ出るのでなければ、利益を提供する側に回るのは必然です。

リスク商品に資産を投入する以上は、そこからお金をもらうのですから、当然プロ意識は必要でしょう。お金を稼ぐのですからプロですよね。

実際のポジション管理は、自分の想定したレートに到達していなければ、一瞬の確認作業で終了です。特別な事をする必要は無く、淡々と同じ作業の繰り返しです。

自分の勝てる場面にしか参戦しないのが絶対条件

長期投資であろが、短期投資であろうが、自分の勝てる場面でしか参戦しないのが最低条件です。

条件が成立するのであればエントリー、しないのであれば見送り。手仕舞いも同じように条件が崩れた場合には、無条件で撤退です。

ポジションを持った瞬間には、どちらの方向に行くのかは誰にも分からないので、確率に収束していくように数多くのトレード経験をする必要があります。

小さくポジションを持って、確率から大きく外れる『連続負け』にも対応できるようにする事です。

どのような分野においても、自分の身長と同じくらいの高さの教材は読破するとか、10000時間の検証作業が必要だと言われています。

実践になれば、余計な裁量を入れずに、淡々と同じ作業を繰り返す単純作業です。幼稚園生でもわかるような明確なルールで裁量を入れないようにする必要はあります。

間違っても、必勝法を探し回り、都合の良い情報を探し回り、結論を先送りをするような時間の使い方をしないようにしましょう。

結果は市場に聞く以外にありませんが、その結果を踏まえて、ルールの改善・修正に時間を使う必要があります。

逆行した場合には、自分の売買ルールに合わない相場環境だと分かるので、そのような時には何もしないのが正解です。

現時点でのトレードの実力がどうこう言うのでは無く、本気で知識や技術を取得していく事で勝ちトレーダーになって行くのだと考えれば良いと思います。

自分が確信を持てる売買ルールを持って、トレードに参加するのが最低条件です。