FXトレーダーはテクニカル分析とファンダメンタル分析はどちらを選べば良いのか



テクニカル分析とファンダメンタル分析で重要なのはどちらか

通信環境が整っている現在では無料で誰でもリアルタイムの値動きを知る事が出来ます。そしてその情報を元にPCからでもモバイル端末からでも手軽にトレードをする事が出来るようになりました。

ひと昔前では、リアルタイムの情報が手に入るのは資本のあるファンドや証券会社なのど限られた機関しかありませんでした。その時代であればファンダメンタル分析しか出来なかったのですが、現在では我々のような弱小トレーダーでも簡単にテクニカル分析をする事が出来るようになりました。

必要な知識も無いですし、情報も不足しているものですから、分析というよりも販売員の言った通りにポジションを取って行く以外の方法が無かったとも言えます。

どちらの分析手法が重要なのかとの疑問が出てきます。テクニカル分析とファンダメンタル分析の大きな違いは分析する時間軸が違うと言えます。

テクニカル分析とファンダメンタルズ分析の違い
テクニカル分析は過去から現在までの分析をするのに対して、ファンダメンタル分析は現在から未来の値動きを分析する手法になります。

ファンダメンタル分析は、通貨政策、景気、経済指標、の経済的要因に加えて、世界中の政治的要因まで含めて考える必要があります。極端にいえば世の中のあらゆる事柄が分析対象になります。それらの条件がどのような割合で影響して、どの程度が織り込み済みなのかも含めての分析が必要になります。

対して、テクニカル分析であれば、同じテクニカル指標を使って同じ期間の分析を実行すれば、同じ結果を得る事が出来ます。これは初心者でもベテラントレーダーでも同じです。

特別な経済の知識を持っていなくてもテクニカル分析は出来ますが、ファンダメンタル分析となると大手のファンドや証券会社が分析した2次情報しか手に入れる事が出来ません。ファンダメンタル指標を手に入れる事が出来るようにはなりましたが、分析には専門的な知識が必要なので情報を鵜呑みにするしかありません。

経済情報のスペシャリストたちが金融工学なのどを駆使して未来の予想を立ててくれるのでその一端を見てみたいと思います。それなりの立場の人達が予想しているはずですがバラバラです。傾向としては円安を予想しています。

ドル円予想(2017年)

大和証券 100-125円
みずほ 105-120円
野村 110円
SMBC日興 110円
岡三証券 110-122円
三井住友 120-125円
メルルリンチ 117円
ゴールドマンサックス 115-125円
モルガンスタンレー 125円
シティバンク 110-115円

スペシャリストが予想してもこのような状態ですから我々のような弱小トレーダーが未来の相場を予想する事は大変難しい事だと思います。『当たるも八卦当たらぬも八卦』と言った所でしょう。

ファンダメンタルズ分析は経済的要因や政治的要因から分析しますから、チャートを見ずに分析をする事になります。経済的要因から相場が動くには時間がかかるので、中長期的な分析になるでしょうし、どの程度織り込んでいるのかでも予想は変わってくるので非常に難しくなります。

経済的要因から相場が動くのには時間が掛かりますから、少なくとも半年、1年程度の時間が必要です。短い時間軸でトレードする我々には重要度は低くなります。

ファンダメンタルズは長期のトレンドを確認する程度で良いと思います。長期に上昇トレンドが続くと判断したとしても数日のトレードであれば無視する程度の値動きです。仮に短期的に割安だったとしても、割安のまま放置されているようであれば、何かしらの原因があると考えるのが妥当です。

これを言ってしまえば元も子もないのですが、現代の世界で誰一人として真に理解している人はいないと言われるほど、マクロ経済は難解な学問です。学習しても身に着ける事が出来ない方法を一生懸命に学習するのは時間のムダです。

ファンダメンタルズ分析の悪い面といいましょうか、時間軸を長く取るので、ポジションを放置する可能性がある事が問題だと思っています。長期の時間軸でトレードしていたとしても前提条件が崩れた場合にはポジションを手仕舞う必要があります

たとえ長期的に上昇トレンドだとしても短期的に下降トレンドに変化した場合には、数日間で是正されると考えるのは危険です。ポジションを放置する事は避けるべきでしょう。ファンダメンタルズは日々変化しているので、長期の時間軸でトレードしている場合でもシナリオ作りは必要です

FXトレーダーはテクニカル分析をするだけで良い

どちらも重要ではありますが、検証作業が出来ないファンダメンタルズ分析は、参考程度で良いと考えています。上昇トレンドを想定しているけれども、逆行した場合にはどうするのかを決めておけば良いので不要です。

ファンダメンタルズは中長期的な視点になるので、短い時間足のトレードをするには不要ですし、どの情報を参考にするにしても他力本願で自分の手を動かさない限り、利益を出せない可能性があります。それが結果的に利益を得る事が出来たとしてもです。

もう1つの悪い癖と言うかトレード手法に関してですが、損切りが出来ないとかナンピン手法を取ってしまうトレーダーがファンダメンタルズ分析を重要視している傾向があると言われています。今は経済状況が悪いだけで、しばらくしたら状況が変わるはずだと信じてポジションを持ち続けてしまうのでしょう。

ファンダメンタルズ分析を重要視しているのは、自分で検証作業をしていないですから、2次情報を頼っているからに他なりません。

マーケットの値動きにはある程度の法則性があると考えられています。同じような状況や環境に遭遇した場合には、同じ行動を取るとる可能性が高いと考えられます。結果としてテクニカル分析が有効であると言えます。

有効ではありますが、未来の値動きを予測するのに有効であると言う訳では無く、一定の法則性があるから一貫したルールであれば再現性が高いはずだと理解すれば良いと思います。

テクニカル分析には多くの手法があり、得意な局面が異なるので万能ではありませんが、一定のルールでポジションを取る事が出来るようになります。未来のチャートを予測する一面はありますが、再現性を高める事を最大の目的としています。

勝ち組トレーダーは未来を高い確率で予測していると考えられがちですが、『想定はしているけれども・・・わからない。』と答えるのはその為です。

テクニカル指標は万能ではありませんから、自分のトレードスタイルに合わせて指標を選択していかなければいけません。もう少し噛みくだいて言うと順張り派か逆張り派なのかを知る必要があります。

順張り派であればトレンド系指標を利用しますし、逆張り派であればオシレーター系指標を利用する事になります。同じチャートを見ていても全く異なる相場観を持つ事になります。どのテクニカル指標を使えば勝ち組トレーダーになれるのかと、探し回る事に意味が無い事が分かると思います。

自分の相場観に合うテクニカル指標を使うのであればどの指標でも良く、どの程度の確率で機能するのかを知り、利食い、損切り、のポイントをどこに置く事が利益の最大化を図れるのかを検証する為にテクニカル指標が必要だというだけです。

再現性とは、過去のチャートパターンと同じような状況になった時に現在のチャートと同じ局面が再現できていれば良いので、テクニカル分析だけで良いとなります。

トレンド相場ではトレンド系指標、レンジ相場ではオシレーター系指標
単独で機能するテクニカル指標は無く組み合わせて使用する必要がありますが、必要以上に組み合わせると過剰最適化になるので注意は必要です。