この記事で学べる事
マルチタイムフレームでエントリーするには長期足でトレンドを見る
長期足から短期足までを確認してエントリーポイントを確定していきましょう・・・こんな理由です。
『環境認識』などと表現される事も多いですが、それで大丈夫なんですか?
イクジット(利確・損切り)まで含めたのがトレードなので、どの程度までトレンドが続くのか、どの程度の割合でトレードチャンスがあるのか、程度は最低でも言わないとダメだと思います。
チャートパターンによるので、軸する時間足ごとに違うデータを提示する必要があるでしょう。
そんな情報を見た事はないですが、『環境認識』ってそういう事です。
初心者用の教材であれば、ダウ理論とセットで論述されています。
ダウ理論がベースなり『木を見て森を見ず』こんな表現であらわされます。
一見すると正しいように感じますが、これは少し間違っていると感じています。
上位足でトレンドを確認して、下位足でタイミングを計っているだけでは、やはり・・・『木を見て森を見ず』になっていると思っています。
どこが間違っているのか?
実践経験が足りないのが一番の原因ですが、上位足を見たところで森まで見れている状態ではありません。
他のテクニカル指標を扱う時と同様なのですが、テクニカル指標単体の動きで全てがわかるわけではありません。
結果として森を見れているのではなく、ほんの一部分を見ているに過ぎません。
ダウ理論は裁量判断が多く必要なので、個々にトレンドラインが引けますし、サポートラインも同様です。
初心者が簡単に理解できるように、説明されているので、マルチタイムフレームについては、初心者に毛が生えた程度のトレーダーでも簡単に説明できます。
マルチタイムフレームについては、どの教材を見ても同じで、長期足を見てトレンドを確認して、下位足でタイミングを計る・・・単純な話です。
機能する部分を切り取って、トレンドラインを引いてエントリーをするような説明が繰り返されています。
非常に簡単な理論なので初心者にも理解できるので、人気の高い手法です。
表面的な部分だけを理解するのであれば、10分もあれば理解できるでしょう。
裁量判断が多く入れる必要があるので、都度裁量を入れて教材にしてしまっているような状態です。
残念ながら、マルチタイムフレーム云々が書いているような教材は、そもそも初心者に毛に生えた程度の素人です。
基本なので、確実に理解しておかなければなりませんが、実践では教科書通りに動く事は非常に少ないのが問題です。
単純明快な理論ですが、それをうろ覚えで実践するので、結果は予測通りになります。
マルチタイムフレームのデメリットを考える
長期足>中期足>短期足
トレンドが継続している前提であれば、間違いの無い理論です。
しかし、トレンド転換をしていた場合には、非常に厳しい結果になります。
エントリーと同時に損切りポイントは設定するが基本なので、かならず損切りを設定せずに説明が進められるはずです。
まったく意味がありません。
この順番にトレンドが強い部分は確かなのですが、だからと言って常時上位足のトレンドに依存するわけではありません。
トレンド転換になれば、下位足が先行してトレンド転換をして、それが順に上位足に波及していく事になります。
上位足がトレンド転換した時には、すでに出遅れ感満載で、損切りポイントを設定していないような初心者は致命傷を負っているはずです。
どの教材にもあるのですが、トレンドが一致せずに方向感がわからない・・・こんな疑問は必ず出てきてしまいます。
この時にはどのような対応をすればよいのかと言うと・・・見送る事になります。
どの程度一致するのかも含めて検証が必要になります。
時間足が確定してからであれば、ここでエントリーしておけば・・・などがわかりますが、リアルタイムで瞬時に判断していくには非常に難易度が高くなります。
方向性が一致する場面はどの程度あると考えればよいのでしょうか?
一般的に、レンジ相場が7割~8割と言われている状況から考えても、上位足から下位足まで一致する場面は非常に少ない事が想定されます。
そのような状況になれば、機会損失ばかりになり、必要なデータを集める事が出来ません。
機能する時にはトコトン機能しますし、そうでない場合はトコトン機能しません。
条件が整わないのであれば、毎日スルーで良いのですが、たいていは余計な事をして、将来につながらない無駄な損を積み重ねます。
勝つことばかりに焦点を当てて、一貫したルールでトレードする基本からどんどん離れていきます。
基本を学んでいるのに、基本から離れていく状況になっていきます。ちらっと聞きかじった程度の知識で、儲かるほど簡単ではないです。
上位足と下位足では見える世界が違う
上位足まで見れば、森を見ている事になるのか・・・この部分が問題です。
それぞれが単独で存在している『木』であり、木と木の関係性を考える必要がある事を意味します。
時間の経過とともにこの関係性が変化していきます。相互補完の関係性が成立しています。
上昇トレンドにあると仮定した場合には、下位足が上位足に依存しますが、トレンドの転換点を迎えた場合には、逆に上位足が下位足に依存することになります。
状況によって依存関係が変化する事に理解する必要があります。
重要なのは、一方向にまっくず進む事はないので、レートが逆行するたびに、心理的に揺さぶられるという事です。
逆行したと思わせて、そのままトレンド継続の場面もありますし、転換してる場合もあります。
足が確定しないとわからないが原因なのですが、心理的には非常に難しい舵取りが必要です。
どの時間足を見ているのかは、個々によるのですが、見え方は全く違った状態になるはずです。
日足を見ているのであれば、レートの動きなどは無視できるので、動きには無頓着になるでしょう。一方で短期足を見れば、動くチャートに翻弄されます。
特に、1分足を見たのであれば、チャートから目を離す事は出来ません。
時間足とレートの関係を考える必要があります。この部分は非常に重要のなのですが、どの教材にも言えるのですが、止まったチャートを見ているので、心理的な影響が考慮できていません。
例えばなんですけれども・・・
道路上の白線を渡れない人はいませんが、地上1メートルの白線の上を渡ればバランスが取りづらくなります。地上10メートルになれば、ほぼ不可能でしょう。
止まったチャートや上位足では、全く感じる事の無い心理的な影響をモロに受けます。
これが、ポジションを取っているのかどうかの境界線です。
冷静に見れば、トレンド転換している場面でも、ポジションを取れば、自分の想定している方向にバイアスをかけてしまいます。
上位足を見た場合と下位足をみたときの心理状態は同じですか?
ポジションを持っているかどうかでも全く違った見え方になるはずです。
同じスケールのチャートを見る事になるのですが、同じ感覚でチャートを見る事が出来ますか?
自分が取引している時間足から上位足を見たときには、恐怖を感じる事はないでしょう。自分のイグジットポイントを忘れてしまうくらいの緩慢な動きです。
15分足を軸にトレードしていれば、日足や4時間足を見れば、レートがチカチカ動いているだけで足が形成されないので、恐怖を感じる事はありません。
1分足を見ていた場合には、30~60分もすれば、まったく違った景色になります。
同じ縮尺でも全く見え方も違うので、これを同等に扱うのは無理があります。
逆に下位足を見た場合には、イグジットポイントを意識せずにチャートを見る事は出来ません。人の思惑というか、心理戦が繰り広げられるている現実感を実感できるはずです。
見ている時間足によって、広がる世界観が違います。
一直線に一方向に進む事はないので、思惑通りに動いたかと思えば、逆行する・・・かと思えば、また思惑通りの方向に動くので、心理的に揺さぶられ続けます。
損切りポイントをかすめそうになれば、恐怖感でいっぱいになりますし、その逆であればウハウハでしょう。
ルールが確立されているのであれば、問題ないですが、裁量を入れるのが前提の取引になるので、非常にストレスがたまる作業になります。
『木を見て森を見ない人』に育てられる人は『木を見て森を見ない人』になる
切り取った部分だけを見れば、優位性のある理論ですが、長期運用を考えた場合には残念な結果になります。
これが部分的に切り取った説明がされる理由です。
長期的な運用になれば、利益が出る事はないですが、マルチタイムフレーム分析は人気が高い。
誰でもわかるようなレベルの話でなければ読まれる事がないので、意味のある情報なのか、デタラメか分からない初心者相手の内容にする必要があります。
読まれるためには、最低レベルに焦点をあわせてる必要があります。
要するに、それで勝てるはずないだろう・・・ってレベルの話でなければなりません。
多くの場合が楽して勝てる方法を探し回っているので、意味のある情報は敬遠されてしまいます。
楽して勝てる方法はない事は分かっているはずなのに、手間がかかる作業は避けてしまいます。
検証作業は必須になるのですが、そのような情報があったとしても、すぐに検証作業に入る人は100人いたとしても皆無だと思います。
多くの場合が、情報を探し回るノウハウコレクターになります。
そして、意味のある情報を見つける事は絶対数が少ないですし、一般的に受け入れられづらいので、探すには非常に手間のかかる作業になります。
部分的に切り取ったチャートでウンチクを垂れる方が簡単なので、一般ウケしやすいような情報になってしまいます。
トレードの場合は、時間が無駄になるだけではなく、資産も減らすので困ります。
そこまで考えて、楽なトレード手法を探し回っているのであれば問題ないですが・・・何も考えてない場合が多いでしょう。
その情報を見て、良し悪しを判断するためには、多くの知識がなければならないですし、本当に機能するのかどうかがわかるためには、実際に検証作業をしていないと実現できるかどうかすら判断できません。
それこそ・・・相応の知識を身に付けている必要が出てきてしまいます。
マルチタイムフレーム分析をするのは、トレード時間などの設定も必要なのか、曜日によっても必要なのか、どの時間軸でトレードするのかによっても変える必要があるような気がします。
ダウ理論もしかり、マルチタイムフレーム分析しかり、初心者に人気のあるトレード手法は部分的に切り取る以外の情報は見た事がありません。
細かい部分だけに焦点をあてて、考えている人に対して、『木を見て森を見ず』と表現されています。
トレードにおいては、短期足から長期足まで総合的な判断を出来ない場合を指しているのですが・・・
機能する部分だけに焦点を当てて、機能しない部分には焦点を当てない解説は・・・どうなんでしょう。
『木を見て森を見ず』状態になっていると考えています。
多くの場合は、判断に迷う部分は『手出しをしない』で処理していますが、判断に迷ないような場面はほとんどありません。
足が確定しないと分からないのがダウ理論です。テクニカル指標で判断するにしても、リペイントするような状態です。
判断に迷うかどうかは、一貫したルールの『ある』『なし』で決定されるはずです。
一貫性のあるトレードで『木を見て森を見ず』を卒業する
トレードをする際に考えなければならないのは、
長期運用をした場合には優位性は無いけれども勝ちトレードになっている
この判断は非常に難しいので、多くの場合は何が悪いのか分からないまま退場です。
まずは、1つの手法で徹底的に勝負する事です。
裁量判断なしにトレード出来るようにすることです。
例えばなんですけれども・・・
ブレイクアウトでも良いし、レジサポラインを使っても良い。
チャートパターンで、Wボトム Wトップ でもよい。
テクニカル指標を使っても良い。
とにかく、1つの手法で勝負する事です。それで勝てるのかと言えば・・・勝てないでしょう。
『勝ち』『負け』が重要なのではなく、一貫性のあるトレードで勝負する事が重要です。
ブレイクアウトをしている時にWトップを見つけたから・・・と言って勝負に行くのもダメです。
順調に利益を積み上げそうだから・・・
トレーリングストップやをするのも、ピラミティングも禁止。それくらいの徹底が必要です。
それぐらい徹底しないと、一貫性のあるトレードの利点が見えてきません。
どんなチャンスがあったとしても、1つの手法で勝負です。
マルチタイムフレームを使ってアレコレ見たところで、自分の軸にする時間足ですら勝てないのに、他の時間足を見たところで全く意味はありません。
混乱するだけです。
マルチタイムフレームに優位性があると言っている教材はどの程度の試行回数で、その優位性を判断しているのかと言えば・・・データとしての信頼性が成立しないような試行回数しか勝負していません。
条件が整った時以外は勝負せずに見送りと判断しているのであれば、ほとんど勝負できていないからです。
『トレードをしながら、成長していけば良い』などと言われていますが、成長する事は皆無です。
一貫性の無いトレードから成長する事はありません。
マルチタイムフレームを違う角度から見る
一定の条件で仕掛ける場合には、機能しない期間はあります。優位性がない場合に、継続してしまった場合には、右肩下がりの運用成績になってしまいます。
どちらに当てはまるのかは、深い知識が必要ですし、相応の経験が必要です。
マルチタイムフレーム分析から少し離れて、違う視点からトレードを見てると、本質が見える場合があります。
他の時間足を見る事に繰り返していると、最適解を求める事が優先になりがちで、目先の勝ち負け執着してしまいます。
悪癖をリセットするためにも、違う視点からアプローチが必要だと考えます。
上位足を見てトレンドを判断して、自分の軸としている時間足でエントリーする・・・これだけでは非常に危険です。
これだけでは、トレンド判定は出来ないですし、トレンドラインを引いたとしてもそれだけでは、トレンド継続の根拠にはなりません。
10分程度で理解できるレベルの知識で、チャートを見る事になるので、細かい部分をすべてすっ飛ばして、教科書通りのパターンに当てはめようとするので間違いが起こります。
全く知識不足の状態ですが、それすらうろ覚えの状態である事も少なくないでしょう。
恐らく負けている方はほとんど知らないか、もしくは知っていても面倒だから考えないようにしてると思うからです。
ドル円のチャートだけ見ていると分かりにくいですが、ドル円が下降トレンドである場合は『円が強く、ドルが弱い』状態です。要するに円高ドル安の状態です。
円が絡む通貨ペアを表示してみてどの通貨もキレイに下降していれば『円が強い』とわかります。
それだけでトレードしてしまいがちですが、強い通貨だけ分かっても不十分です。
次にドルが絡む通貨を表示してみて、ドルが弱い(売られている)状態を確認して仕掛ける必要があります。
トレードしていると気付きにくいですが、トレーダーの売買だけで通貨の強弱が決まっている訳ではありません。
トレードの他には、通貨の需要、経済指標、国ごとの政策、突発的な諸問題・・・色々な条件を踏まえて価格が決定されています。結果がチャートとして表示しているに過ぎません。
時間足とレートの関係性と心理状態の関係も考えるつつ、他の通貨ペアとの関係性を理解して初めて『木を見て森を見ず』から脱却する事が出来ます。