投資初心者をカモにする証券会社の実態


投資初心者をカモにする証券会社の実態

資産運用に興味はあっても経済の知識や勉強が必要であるイメージがあると思います。何から勉強したら良いのか分からない場合は投資信託が必然的に選択肢に入ってくると思います。選択肢というか一択になるのでは無いかと思います。

  • 少額から始めらる
  • 積み立てが出来る
  • 特別な知識が必要無い

非常にハードルが低くなると考えるのは理解出来ます。取り扱ってる商品が分からなくてもプロが運用してくれるから大丈夫と思うのでしょう。

「何も調べたり勉強しない訳では無いよ」と反論する方もいます。

何を調べているのかと聞けば、どこの証券会社の手数料が安いとかどの商品の運用成績が良いのかを調べるとの事。不要とは言いませんが、もっと知らなければならない事が他にあります。

調べている事をざっくり言ってしまえば、金額の事だけです。金額の事しか調べませんから、日々気ににする事は金額の事だけです。上がれば喜び、下がれば悲観。価格の上がり下がりに一喜一憂する事になります。「長期投資だから気にして無い」と反論されてしまいますが、最終的に気にするのは価格ですから、大差は無いと思います。

知らなくてはいけない事はその商品の価格ではなく、価値を知らなければなりません。日本株、外国株、リート、債券、保険と投資先の価値が現在値と比較してどうなのかと言う事です。しかし、投資先の割合程度しか分からないのでは無いでしょうか。実際には非常に難しい投資行動なのではと考えています。

漠然と

  • 特別な知識が必要無いオリンピックがある
  • トランプ政策が期待出来る
  • 政府の経済政策が期待できる

などでは、商品の価値を測っている事にはなりません。オリンピックは4年毎に開催されますから、その度に上がっているのであれば、経済成長は右肩上がりにしかなりません。国内での経済が順調であれば、大丈夫なのかと言えば、そうとも言い切れません。

世界経済は密接な関係がありますから、軍事紛争があったり、政治不安が起これば、ナイアガラチャートに早変わりする事は容易に想像できます。

投資環境が厳しい時期に開始する人は少ない思うので、トレードの怖さを低く見積もっている感じはします。ドローダウンが大きすぎて精神的に耐えられないような商品もあります。

トレンド転換して下降トレンドになってしまうと、プロが運用しているのか?と目を疑うような商品ばかりになります。ポートフォリオを組んでいると言ってもリスク商品の組み入れがされているので、対応出来る事はたかが知れています。

先行きが不透明な場合には一旦キャッシュポジションを多めにするなりして対応するれば良いのですが、投資信託の場合には当然な投資行動が出来ません。理由は簡単で、信託報酬をもらってしまっているからです。報酬をもらっていながら運用しない選択は出来ませんから、どんな状況になってしまったとしてもポジションは持ち続けます。

この投資行動ってアマチュアトレーダーと同じです。損切りも出来ずに「明日は上がってくれ」って全力でお祈りしている人と同じ行動です。厳しいですよね。結果として誰でも利益が出せるような右肩上がりの経済情勢でなければ利益を出せない状況になってしまいます。

経済不安な時には利益が出せない事は証券会社は知っています。しかし、投資信託を選択肢に入れている投資家は自分たちよりも知識が無い事も知っています。このような現状において金融庁が金融モリタリングリポートの中で以下のような厳しい指摘をしています。

投資運用業者が、顧客のニーズや利益よりも、短期間での乗換え売買により手数料の確保を図るといった販売会社のニーズを優先していることが考えられる。また、運用を外部委託する投資信託の比率が高い背景として、運用の専門人材の育成・確保が十分進んでいないことが考えられる。販売会社にとってうりやすい資産を対象とした投資信託や、仕組みが複雑で高い販売手数料を得られる投資信託が多数提供されている現状をみると、投資運用業者が、顧客のニーズよりも、系列の販売会社のニーズに重きを置いているのではないかとの見方もできる。

引用 金融庁 金融モニタリングレポート

 

貯蓄から投資へを愛言葉に、情報弱者である投資初心者にリスク商品を販売していく訳ですが、手間を掛けずに楽して儲けたい客のニーズに応えるべく

  • 少額から投資出来ます。
  • プロが運用するので安心です。
  • 高い透明性があります。

プロが運用していると聞いた所で安心してくれて、一回勧誘してしまえば長期に投資し続けてくれる上客です。カモの出来上がりです。

一方で、購入した金融商品が値下がりして苦情が来た場合には、「安くなっている今が買い時です。。。」とテキトーな事を言っておけば、その場をやり過ごす事が出来るのですが、販売員の中には疑問を持つ人もいるようです。

投資信託の魅力を語り、お客様を納得させ、購入して頂く。そんな幼稚な販売スタイルに嫌悪感を抱いている行員も多い。お客様のことなどこれっぽっちも考えていない本部からの指示に疑問を抱くようになる。

窓口の女性行員は直接お客様からの苦情にさらされ、金融商品の販売を担当する若い女性行員がどんどん退職していく。

引用 銀行を見捨てる「女性行員たち」

投資信託の販売はドル箱になりますから、金融機関に行ければ積極的に勧誘してくれます。全ての投資信託が儲からない訳では無いですし、投信を買う人が情報弱者とは言いませんが、カモにならないように注意しましょう